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物語を物語る

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村山斉さんの言葉から「日本は外国研究者を呼び込む魅力的な国になっている。存在感を世界に発揮している、もっと自信をもっていい。」

物語を物語る

平成24年1月5日 読売新聞「新春 論点スペシャル ニッポンの元気」というインタビュー記事にとてもいい記事が載っていたので書き起こしてみた。
物理学者の村山斉という方で、経歴がスゴイです。東京大学数物連携宇宙研究機構機構長。世界一の研究拠点を目指して東大が招聘。米カルフォルニア大バークレー校教授も兼ねる。専門は素粒子物理学。著書は「宇宙は何でできているのか」で、「新書大賞2011」を受賞、とある。
村山斉

では難しい内容のインタビュー記事かといえば、そうではありません。読んでいて何故か元気になります。ドナルド・キーンさんの言葉と同じように「日本人はもっと自信を持っていい」という文章が出てきます。これは励まされます。
日本がいま世界から研究者が集まってくる研究拠点になっているというのだから、これは必読ですよ。
(いいと思ったところを太字にしてみました)

昨年末、「ヒッグス粒子」など、私の専門の素粒子物理学が大きな話題になった。すごくありがたいことだ。科学研究が役に立つというと、経済効果のことを指すと思われがちだ。しかし、宇宙や人間の根源を考えるなど、金銭で計れない豊かさが科学にはある。それが認められてきたと感じる。
29歳で渡米し、その後ずっと米国で研究をしてきた。外から見ていて、うらやましいと感じたのは、国が科学研究に安定した予算をつけていることだ。その支えによって、物理などの基礎科学分野で華々しい成果が上がっているように見えた。
日本も事業仕分けで予算削減騒動があったが、米国はその比ではない。いきなり研究費が半分になったり、国立研究所で大リストラが行われたりする。実験施設の建設途中で、大型プロジェクトが中止になったりもする。来年の予算どころか、今年はどうなるのかすらもわからない。科学者が長期展望を立てて取り組みことができない状況だ。
このことが国際協力で研究を進める時の障害になっている。最近の科学研究は大型装置作りなどに巨額の費用がかかる。1国だけではできない。だが、米国の研究者が計画を作って、他国の研究者を巻き込もうとしても、信用してもらえない。
対照的なのが、日本の信頼感だ。やると言ったらやる。実験施設作りを簡単にやめたりしない。それが今、日本の強みになっている。各国の研究者が日本へ集まってくる。例えば、茨城県から岐阜県の施設へ素粒子を撃ち込む実験。約650人の研究者が参加しているが、その8割以上が欧州などの海外勢だ。世界の英知が集い、互いに刺激しあう最前線になっている。私が機構長をつとめる数物連携宇宙研究機構も同様だ。
世界のトップレベルの研究拠点を目指して2007年に発足した。わずか5年の間に、世界で知られるようになり、ここで研究したという外国人が着実に増えている。
最近、日本では若手研究者が海外留学しないと指摘されている。それはそれで心配なことではあるが、実は日本は外国研究者を呼び込む魅力的な国になっているのだ。存在感を世界に発揮している。もっと自信をもっていい。
一方、米国が優れているのは、新しいことをやろうと盛り上げる雰囲気だ。若い研究者を勇気づける。私も大学院博士課程を修了後、初めて米国の国際会議で発表し、そのことを実感した。発表終了後、無名の若者である私のところへ、ノーベル賞級の米国人研究者がやって来て「面白い」と言ってくれた。びびっと反応が来る。楽しいし、やりがいがある。
逆に大御所の研究者であっても、面白くなければ参加者が批判を浴びせる。日本だと「あの先生は偉いから……」と黙りがちだ。お行儀が良いのかもしれないが、そうした点を変えれば、日本の科学はもっともっと発展する。
私の研究は、宇宙がどうできたかを探ることだ。一つ理論が証明されると、次の疑問が出てくる。それが面白い。
講義でそういう話をすると、「自分はこういう分野には進まない。でもこの人を見ていて自分の好きな仕事をやるのはどんなに素晴らしいのだろうと思った」と中高生が感想を寄せてくれる。自分が予想もしなかったところで、人へ影響を与えている。少し大げさかもしれないが、そういうところから生きる希望が生まれ、次の活力になる。科学研究を長期的に日本の誇りに結びつけていってほしい。(聞き手・編集委員 知野恵子)

いいですね。日本が科学・物理学の分野で世界の研究拠点になりつつあるなんて素晴らしいことだ思います。
そしてこの記事の冒頭に「金銭で計れない豊かさが科学にはある。」とあり、科学技術を経済効果という物差しで計ることの愚かさを何気なく指摘しています。
過去記事 「「日本」「文化」「科学技術」、そして「亡国への道」
民主党の事業仕分けの最悪さはこういうところにある。目先の利益にばかり力を注ぎ、切りやすい科学技術や文化事業を削って、強力な省庁の権益は守った。その当時、それを絶賛していたマスコミがいたのも驚きだった。(いまは手のひらを返して批判してますが、マスコミのいい加減さがよく分かる)
また、事業仕分けのときに笑えたのは、仕分け人が理解できないものは削減、廃止だってことだ。(スパコンとか)
となったら、まっ先に切られるのはこういった科学技術分野ではないか。愚かなことだった。

コペルニクスが地動説を発見したときも、ニュートンが万有引力の法則を発見したときも、当時の人々にはほとんど理解されなかったが、それが数百年後を経て、人類に大きな恩恵を与えた。アインシュタインや湯川秀樹が経済的利益を考えて研究しただろうか。そうではあるまい。
西欧に対する憧憬は、その長い年月によって培われた文化と、こうした知的発展にある。
村山氏のいうように日本が科学の研究拠点になれば、数百年後の日本も「知」の集積地として海外から憧れの地となるであろう。
科学技術も一つの「文化」である。独自の文化を生み育てることが、その国・民族のアイデンティティーとなる。
「科学研究を長期的に日本の誇りに結びつけていってほしい。」とはそういう意味だと思う。
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