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物語を物語る

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神社とは。 ガンプラとシュタインズ・ゲートと砂川神社訴訟

物語を物語る

平成24年3月2日 上毛新聞から、「おっ」と心を惹かれた記事だったので抜いてみた。

プラモのルーツは家康?
翌日は徳川家康を祭る久能山東照宮を参拝した。2010年末に社殿などが国宝に指定されてから参拝者が急増。ことに昨年は50年おきの漆塗り替え作業が完了し、今が一番美しい輝きを放っている時期だ。境内に葵の御紋をまとったガンダムのプラモデルが陳列されている。
「静岡に多くのプラモデルメーカーが集まるのは、元をたどれば東照宮がきっかけ」と解説するのは姫岡恭彦権宮司。東照宮造営のため全国から集められた腕のいい宮大工や漆職人、飾り金具職人たちの一部は、造営が終わっても静岡の地にとどまった。それが模型産業の基になったというのだ。

「バンダイ」が徳川家康公をモチーフにした「機動戦士ガンダム」の新作プラモデルを奉納し、それが境内に展示されているとあった。
ガンダム
家康公が身につけたと伝わる黄金色の甲冑姿をしているという。
過去記事「武人埴輪からガンプラへ。日本人は昔からこういうモノにワクワクしていたんじゃね。」でも書いたように、ガンプラは埴輪までさかのぼれるのではないかというのが私の考えだが、何はともあれ、「日本文化」(技や技術、美意識)は現在も連綿と、形は変えながらも受け継がれているということだ。

さて、検索するともう少し詳しい新聞記事があった。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/feature/shizuoka1297494125514_02/news/20110212-OYT8T00424.htm

バンダイだけでなく県内は、「タミヤ」「青島文化教材社」「ハセガワ」など、世界トップクラスの模型会社が集積するが、源流は江戸期に遡るとされる。天下を取った徳川家康は、全国から腕利きの職人を呼び寄せて駿府城を築城。2代将軍秀忠は、久能山東照宮を建設し、精緻な木彫りを施して家康の霊廟(れいびょう)を収めた。
 大規模な公共工事が一巡した後も、一部の職人は定住。技巧を生かして漆器やひな人形作りなどに転じ、木工産業の隆盛につなげた。昭和初期には木製の模型飛行機を製造し、戦後は素材をプラスチックに変えて、黎明(れいめい)期のプラモデル産業に進出。「何を使い、何を作るか……」。世相の変化を敏感に嗅ぎ分けつつ、職人たちの工夫は続いた。
 ガンプラは、静岡市葵区長沼の「バンダイホビーセンター」で生産される完全な「メード・イン・静岡」だ。工程はほとんど無人で、「多色成形機」17台が24時間体制で稼働する。色や素材の異なるプラスチックを約20秒で「ランナー」と呼ばれる1枚の部品パネルに加工し、1日1万個分を作る。
 「世界で唯一」のハイテク設備だが、プラスチックの成形に使う金型は熟練工が仕上げる。最新の素材は、薄いプラスチックに顔料を混ぜる。岸山リーダーは「光が透けない工夫。存在感が増す」と説明する。最新技術の中に、匠の技と工夫が脈々と息づく。
 テレビシリーズで人気を集めたガンダムだが、放送のない年も毎年必ずガンプラの新商品を出し続けた。値段は今も30年前と同水準の315円からで、子供でも作れるよう接着剤なしのはめ込み式だ。地道な営業努力もあり、親子2代のガンプラファンも珍しくない。00年には海外に販路を広げ中国や韓国、シンガポールなどアジアを中心に10年間で計約2500万個を売った。
 芳賀准教授は、「プラモデルは今、大人の遊び。子供世代や海外へ活路を求める時、静岡ゆかりのガンダムは『ホビー大使』の役割が期待できる。静岡の懐の深さだ」と指摘する。(2011年2月12日 読売新聞)

なるほど面白い。「ガンプラ」一つで日本文化・歴史、伝統、技術を語れるというところが。

そして重要なのは、これが「神社を介して伝わっている」ということと、ガンプラを「神社に奉納」しているという点だ。
キリスト教、イスラム教、仏教(日本仏教以外の)など他の宗教では、まずこんな光景は見られないだろう。なによりも厳格な宗教では偶像崇拝を禁止しているだろうが、それでも、己の神をこのような形にしたものを寄付されても決して受け取ることなどないだろうし、場所によっては神様を侮辱する行為となり罰せられることになるだろう。
だが日本人は別にこれを変な話だとは思わない。(笑い話にはなっても、怒りだす人はないだろう)
こんな話一つとっても、神道や日本人が実に不思議な宗教観を持っているということが分かるであろう。

さて、神社に奉納というので思い出したのが、アニメ「シュタインズ・ゲート」だった。
秋葉原を舞台にしたタイムトラベルモノのSF、萌えやオタクもふんだんに盛り込まれるいかにも現代的アニメだが、ここにも面白いことに「神社」は登場する。それが浮いた存在でもなく、渾然一体となってこの物語に溶け込んでいる。
シュタゲ(アニメで描かれる柳林神社。モデルは「秋葉神社」というらしく、聖地になっているとかなっていないとか)
今のアニメには「神社」(それに関連して巫女や鳥居、また境内など)が多く描かれている点はこのサイトで散々書いてきた。
過去記事で。
1、「ブルーノ・タウトの「日本文化私観」その8  「神道」5 神社と日本人、そしてなぜアニメに神社が描かれるのか」 
2、神社が「日本文化」の集まる場所とみるならば、現代の日本文化の象徴である「アニメキャラ」がそこで隆盛を築いていても何ら不思議なことではない!
あたりで。

そして、この「シュタインズ・ゲート」では、「IBN5100」という古いコンピューターが奉納されるという話が出てくる。これがこの物語では重要な役割を果たす小道具となっている。
ここで注目したいのは、コンピューターを神社に奉納するという行為そのもの。そこが実に興味深い。(そう感じるは自分だけなのか?)
奉納ですよ、骨董品のようなコンピューターを……。
そしてもっと特異な点は、日本人はこれを不思議なことだと思わないことだ。(誰もここに突っ込まない)
「シュタインズ・ゲート」は海外でも人気のアニメ(ゲーム)であるから、外国人もこの場面を知っているはずだが、どう思うのか。果して、この「日本人的感覚」を理解できるのだろうか。(だれか訊いてみて!)
キリスト教徒が教会に古いコンピューターを奉納(寄付)するだろうか、イスラム教徒がモスクにこれを預けるだろうか、これは絶対にない。(IBN5100に金銭的価値があれば話は別だろうが)
要は、ここで言いたいことは、日本人は大事なものを「神社」に奉納するこという行為そのものに、何の違和感も持たないということだ。
奉納は「氏子・檀家が神仏を敬い、また鎮め愉しませる目的のため、人々にとって「価値のあるもの」を供物として神仏(お墓なども含む)に捧げる宗教的な行為のことをいう。」とWikipediaに説明がある。(この説明文は上手い)
シュタゲの場合は、未来のために大事なものを預かってもらうという形であるが、あくまでもこれを「奉納」と言っている。
物語の中盤はほとんど「IBN5100」を巡って話が展開されている。このコンピューターが、登場人物たちに影響を与え、未来人の人生も変わり、果ては日本の国全体の将来をも変えるほどの大事なものになる。それほど大事なものが「神社に奉納」されていたという形で描かれている。
これが別に、銀行の金庫や大地主の蔵の中にあっても物語上何の支障もない。だが時空を巡る物語なので、「とき」と「ところ」が不変である場所が必要となろう。となれば、それが「神社」となるのだ。だから、日本人がこの物語を見ていて、そんな大事なもの(価値あるもの)が神社に奉納されていても何の不思議にも思わないのだ。神社は過去・現在・未来をつなぐ「場所」だということだ。(いつも思うのだが、日本人のタイムマシーンの「ゲート」は神社になるはずだ。これは別の話で、後につなげる)
地震が起ころうが、社会変革が起ころうが、株価が暴落して日本経済が壊滅しようが、「神社」は必ずそこにあるということを日本人は確信している。つまりこれは日本人が神社に大きな信頼を寄せているということに他ならない。この信頼感は深く、心の奥底で強く結ばれているのだ。(しかも自分でも気が付かないような、無意識のうちに……)
ブルーノ・タウトは神社と日本人の関係についてこう言った。
「近き将来にこの国にいかなる政治的経済的発展が行われようとも、典型的日本の今日もなおかくも活発な文化的生命を鋏をもって切り取り、捨て去ってしまうというようなことは全然不可能であるし、また極めて有害なことであろうと思うのである。」

となれば、バンダイが家康を象ったガンダムを神社に奉納するという行為も、とても意味深いものになるはずだ。
過去からの技術、技、そして美意識が現在に受け継がれ、それが未来へもつながっていこうという願いが込められているということだろう。
それをつなぐのが、「神社」なのだ。
神社に日本人の魂が込められている、そこに日本人の源があるとか、言われるがそれはこういう意味なのではなかろうか。

さてさて、「砂川神社訴訟」で、新しい判決が出ていた。
当ブログでも何度か取り上げてきたもので、いわゆる「神社は憲法違反か」というものを問う裁判だった。
過去記事 1、「神社は違憲なので撤去」、そんな日が来るかもしれない。
その裁判結果が、「北海道砂川市が法人格のない神社に市有地を無償で提供してゐることが憲法の政教分離原則に違反するかが争はれた訴訟の差し戻し後の上告審で、最高裁第一小法廷(白木勇裁判長)は二月十六日、原告住民側の上告を棄却する判決を言ひ渡した。」となり、違憲状態ではないとなったようだ。当然のことだろう。
産経新聞 平成24年2月16日の記事から。

政教分離訴訟、住民側の敗訴確定 最高裁も砂川市の提案評価
 北海道砂川市が市有地を空(そら)知(ち)太(ぶと)神社に無償提供していることが憲法の政教分離原則に違反するかどうかが争われた訴訟の差し戻し上告審判決で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は16日、市側が提案した有償での貸与案などについて「違憲性の解消策として合理性を有する」として、違法確認を求めた住民側の上告を棄却した。住民側敗訴とした札幌高裁の差し戻し控訴審判決が確定した。裁判官5人の全員一致の結論。
 市有地提供をめぐっては、1、2審判決とも違憲と判断。最高裁大法廷は平成22年1月、違憲状態と判断した上で撤去や明け渡しでない現実的な解決を求め、2審判決を破棄し、審理を高裁に差し戻した。
 差し戻し控訴審で、市側は、市有地に立つ町内会館にある祠(ほこら)を同じ敷地内の鳥居付近に移し、一角を年約3万5千円で氏子側に提供するなどと提案。控訴審判決は「解決策は合理的かつ現実的」として、住民側の請求を退けていた。
 同小法廷も、こうした市側の提案を評価し、解決策が実施された場合には「一般の人から見て、市が神社に対して特別の便益を提供し、援助していると評価されるおそれがあるとはいえない」と判断。また、「直ちに撤去させると、平穏に行ってきた祭事などの宗教活動の継続を著しく困難にする」と指摘した。
 砂川市の善岡雅文市長は「市が主張した解決策について、適切に判断いただいた」とコメント。原告側は会見で「明け渡し以外の手段では、違憲状態は解消されたとはいえない。納得できない判決だ」と述べた。

(空知って、「銀魂」の原作者・空知英秋の出身地だったとところか……)
「神社は憲法違反だ」なんてほざいていた似非キリスト教徒の悔し涙が目に浮かびますね。そんなに日本を壊したいか!

これに関して「神社新報」にいい記事が載っていたので転載しておく。
http://www.jinja.co.jp/news/news_005663.html

さらに係る神社での祭典についても、「主として地域住民の安らぎや親睦を主たる目的として行っているものであり、神道の普及のために行っているものではないと推認」した上で、多数意見は日本人一般の感覚に反する、として合憲判断を示してゐることは注目に値する。
 今回の訴訟によって各地で「違憲の疑ひ」がある施設探しがあり、一部の地域では混乱も起こった。最高裁の判決でも、空知太神社の祠や鳥居の撤去は氏子らの「信教の自由に重大な不利益を及ぼす」として、原判決を取り消し、それ以外の解決法を検討するやう促してはゐたのである。
 しかし神社だけでなく公用地に建てられたさまざまな宗教施設は文化財や観光資源としての要素も含め、広く公益性を持ってゐることは明らかだ。にも拘らずこれらに公用地が無償貸与されることが一律に違憲とされてしまっては、結果的に混乱が生じることは必至だと本紙は訴へてきた。わが国での厳格な政教分離は不可能なのである。
 私たちは、神道をはじめとするわが国の伝統的な宗教が持つ公益性に包まれた素朴な信仰を護ってきた。今回の判決で課題は残ったとはいへ、神社撤去には至らず、たとひ最小限でも次世代に継承の道を残した意義は大きかったと見るべきであらう。

この一文にこれ以上付け加えることはない。
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消えた二十二巻

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