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アンパンマン考 2 フロイト心理学から。「アンパンマンの世界」は人間の心の中を表している。

物語を物語る

前回の続き、第2回。
さて、遂に本題に入ります。が、その前にいくつか。バイキンマンは「ばいきんまん」と表示するのが正しいようですが、ひらがな表記だと分かりづらいので、ここではカタカナ表記の「バイキンマン」で統一します。
そしてところどころ画像を入れますが、非常に画質が悪いです。(パソコン画面をデジカメで撮影) 説明の補足という目的だけで載せていますので、見づらいところはご了承ください。
では、アンパンマンの基本的ストーリーから、
①新しいキャラクターがやってきます。ここではてんどんマンたちです。
001_20071216215039.jpg

②腹のすいたバイキンマンが見つけます。
bd.jpg
③バイキンマンが奪おうとします。
027.jpg

④アンパンマンがバイキンマンを退治します。
012_20071216215020.jpg

⑤平和が訪れます。
002_20071216215045.jpg


まず、基本的なストーリーはこうなります。(細かいところは、今は抜いてあります)

さてここでフロイトの精神分析を拝借します。5歳の娘への回答にそれはないだろう、と言われそうですが……、それはおいおいまとめていきます。とりあえずは、私自身が考えたことをダラダラ書いていきます。
では「図解雑学 フロイトの精神分析」鈴木晶著(ナツメ社)を参考にして「なぜアンパンマンとバイキンマンは戦い続けるのか」について、心理学から見ていきたいと思います。
2つの登場キャラクターの関係については、
4577031132.jpg

でありながら、
001_20071216214918.jpg

でもあるということです。

結論からいえば、この物語は人間のこころの世界を舞台にしたもの。バイキンマンはひたすら欲望(エス)を満たそうとする存在であり、アンパンマンはその欲望を抑えようとする「自我」である、ということです。
「物語アンパンマン」は人の欲望、心の中の葛藤を描いた物語である、ということなのです。よって、戦いに終わりはなく、人が生きている限り永遠に続くということです。

それでは、それらを説明していくために、基本原則から列挙していきましょう。

快楽原則と現実原則
フロイトは、人間の欲動は快楽原則と現実原則の2つの規則に従っていると考えた。快楽原則とは、欲動がひたすら満足を求めることである。しかし、人間が社会で生きていくためには、欲動の満足を我慢しなければならい。人間はしつけや教育を通して我慢を身につけていく。この我慢することが現実原則である。この原則で性の欲動と自己保存欲動を考えると、自己保存欲動は現実原則に従いやすいが、性の欲動はなかなか現実原則に従おうとせず、快楽原則にしがみつこうとする。

欲動とは人間を行動に駆り立てる内在的な力。性欲、食欲、運動、排泄欲など。これがバイキンマン。
バイキンマンは欲望の象徴ということになる。つねに食欲を満たそうとしむさぼり食べる。また、平和な町(心の中)を征服しようと暴力を使う。しかもこれら貪欲である。それにバイキンマンには「かびるんるん」という手下みたなのがいるが、これはカビで、いわいる増殖する。欲望が無限のように膨らむように、バイキンマンもかびるんるんを使って欲望を満たそうとする。

このような欲望をフロイトは「エス」と呼んだ。
エスとは無意識の中にあらゆる欲動を含むもので、ひたすら欲動を満足させようとする。
エスはいわば、欲動の貯蔵庫であり、ひたすら欲動を満足させようとするものである。その内部は混沌としている。こころを動かしているエネルギーはすべてエスの中から湧き出しており、エスはひたすら快楽原則に従う。したがって、自我としてはエスを野放しにしておくわけにはいかない。エスをコントロールしなければならない。

ここでアンパンマンが必要となるのだ。だがアンパンマンの役目は、決してバイキンマンを抹殺するわけではない。欲望の塊をいまある視界から遠ざけるに過ぎないのだ。
アンパンマンの敵は常にバイキンマンのみである。遠くに遠ざけるだけであって、制圧したり、やっつけることではない。「バイバイきーん」といって視界から遠ざかる、欲望なのだ。
002_20071216221527.jpg


仮面ライダーやウルトラマンのように敵を倒すことは、制圧し、征服し、相手を抹殺することである。
しかし、アンパンマンは敵であるバイキンマンを一時的に退けるといった形である。
これが永遠に続けられる。
003_20071216221538.jpg
(ただ消えて行くだけ)


自我とエスの関係。
フロイトは自我とエスの関係について、次のように書いている。
「エスと自我の関係は、暴れ馬と、それをコントロールする騎手の関係に似ている。ただ、騎手は磁力で馬をコントロールするが、自我は隠れた力でエスをコントロールする。騎手が馬から落ちたくなければ、しばしば馬の行こうとする方向に進みしかない。同様に自我も、エスの意志をまるでそれが自分の意志であるかのように実行に移すことがある」

エスは無秩序で混沌としており、社会の掟などを無視して、ひたすら快楽原則に従う。そのため自我がエスをコントロールしないと、人間は社会生活を営むことができない。しかし、フロイトが暴れ馬にたとえているように、エスの力は強いので、いつでも自我がエスをかんぜんにコントロールできるとは限らない。時には、エスが行こうとする方向に引っ張られることもある。
しかし、一方で、自我とエスは真っ向から対立しているわけではない。自我にもエスにも大きさがあるわけではないが、比喩的にいえば、エスの方が自我よりもはるかに大きい。自我は、エスというどろどろの海の中に、その一部が固まってできた小さな島のようなものである。その島の一部が抜け出して、島が小さくなることもあれば、島のまわりのどろが固まって島が大きくなることもある。つまり、自我が大きくなることもあれば、小さくなることもある。
005_20071216222247.jpg
「図解雑学 フロイトの精神分析」p155より

この文章、「エス」をバイキンマン、「自我」をアンパンマンに置き換えるとよく分かる。
だから、アンパンマンは(心の中を)常にパトロールをしている。欲望の抑制機能となり、欲望が暴走しないようにだ。
019.jpg

また「バイキンマンが欲望の塊である」という証拠に「バイキンマンは小さくなる」という特性がある。これは、洗われたり、きれいにされたりすると、バイキンマンの身体自体が小さくなるのだ。欲望も浄化されたりするとしぼむことがある。まるで心の動きを表しているようだ。

また、バイキンマンがタイムマシンに乗って過去に戻り、幼児となっているアンパンマンをやっつけようとした話があった。ここではアンパンマンも幼児となってが、そこには同じく幼児のバイキンマンがいた。その幼児のバイキンマンを鍛えれば、幼児であるアンパンマンをやっつけられるだろうと考えたのだ。この回の話のミソは、未来のバイキンマンが幼いアンパンマンをやっつけるのでなく、あくまでも、幼いバイキンマンと幼いアンパンマンを戦わせようとしていたところ。言いたことは、欲望と抑制が同じ力の均衡を保っていること。欲望の成長とともに、それを抑える抑制も成長するということ。つまり3歳の子供の心の中のアンパンマン物語だとすれば、3歳のアンパンマンの自我がいて、3歳の欲望のバイキンマンがいるということ。(分りづらいがこの辺りは次章以降で説明します) つまり、心の成長とともに彼ら2人(欲望と自我)も成長していくということになるのです。

「図解雑学 フロイトの精神分析」の説明では
『自我とは、私が「これが私だ」と思っているもので、心の主体となるものである。動物には自我はない。人間は本能が壊れてしまったため、そのままでは生きていけなくなった。そこで自然との隙間を埋めて生きていくために、本能の代理としてこころを生み出し、さらに自我を作り上げたのである。
人間は生まれてから死ぬまで変化していくが、子供のころの自分と今の自分は同じだという自覚を持っている。自我は、この一生持続する「私」のことだ。自我は変化すると同時に、一生を通じて同一のものである。
だが生まれたばかりの乳児にはまだ自我はない。自我は生まれつき備わっているものではないのである。乳児は自分と外界の区別も、自分と母親の区別もつかない。しだいに、自分と自分が加えている乳房との違いを知り、自分と母親が別の存在であることを知る。そして母親の自我を手本として、それを見習って自分の自我を作り上げていく。
自我は最初は全能感に浸っており、「自分はなんでもできる」と思い込んでいる。そして、しだいに自分は決して全能ではないことに気づいていく。また快楽原則と現実原則の関連でいえば、自我は最初はひたすら快楽原則に従うが、成長するにつれて現実原則に従うようになる』
と解説しています。

と今回はここまで、次回は物語の最大の謎というべき「ドキンちゃん」について書きます。

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