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物語を物語る

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「なまはげ」は「マレビト」です。

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なまはげ暴走  大浴場に侵入 女性客数人の体触る 秋田 (毎日新聞) から

『秋田県男鹿市の旅館で昨年の大みそか、大浴場に「なまはげ」が侵入し、女性数人の体を触っていたことが分かった。なまはげは家々を回って子供たちに礼儀の大切さを教える男鹿半島の伝統行事。国の重要無形民俗文化財にもなっている。その逸脱行為を重く見た男鹿温泉郷協同組合は、問題を起こしたなまはげが所属する町内会について、温泉郷でのなまはげ行事への参加を3年間禁止した。
 組合によると、観光サービスとして温泉郷周辺の町内会の男性5人が扮(ふん)したなまはげが午後8時半過ぎに旅館ロビーで舞を披露。うち20代の男1人が抜け出して大浴場に入り、女性客数人の体を触った。男は振る舞われたお神酒などで酔っていたという。女性客の家族から苦情を受け、町内会長らが謝罪した。
 組合や町内会長らは今月8日に対応を協議し、問題を起こした町内会のなまはげの出入り禁止を決め、男に厳重注意した。女性客の了解もあり、告発などの措置は取らないという。これとは別に男鹿市や市観光協会には「妻がなまはげに胸を触られた」などの苦情が2件あったという。
 山本次夫・同組合長は「言語道断の行為」とコメント。なまはげゆかりの真山神社の武内信彦宮司は「モラルが欠けている」と苦り切っていた。【馬場直子】[ 2008年1月12日16時3分]


この事件、1月14日のワイドショーをにぎわしたニュースとなっていました。「なまはげ」の関係者はかなり、しょ気帰って謝罪してましたね。
大体、何で騒動を起こした本人が出てこないのか。これってまさしく犯罪じゃないですか。
それに、この行事自体に罪があるわけではないのに、まるで「なまはげ」の行事が悪いみたいな記事もあって、そこにも驚きました。批判の矛先が違うんじゃないの、責められるのはこんな悪ふざけをした本人であって、庇うようなことをするから責められるじゃないか、って思いました。
まあ、地元の若者の人手不足で、「ナマハゲ」のなり手がいないという事情もあったという。この騒動を起こした張本人も、普段は東京で働いていて年末に帰省したところを、無理に頼んで「ナマハゲ」の役をやってもらったという経緯があったらしい。こんなところにも地方の問題が影響しているということなのでしょうか。

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さて「ナマハゲ」については「泣く子はいねーか」といって家々を巡る映像がよく見ることがありますが、その異様な風体ばかりが目立って、本来の由来とか行事の意味とかになると中々いい説明がないんですね。そこでいろいろ調べて、「目からウロコの民族学」(PHP研究所)橋本裕之編がなかなか分りやすく載っていたので引用してみました。
項目は「神様がやって来る」で筆者は久保田裕道氏。

『ナマハゲとは秋田県男鹿半島に伝わる行事で、かつては正月十四日つまり小正月の晩、に行われていた。戦後は大晦日の晩に行われている。  子供のころ絵本で見たのか、ほとんどの日本人が知っている恐ろしい行事のひとつだが、このナマハゲの正体とは何だろう?もちろん、これまた実際は村の若者がやっているわけで、鬼のような面を被り、蓑を身につけ、手には木製の出刃庖丁、足には藁ぐつ、というのが典型的スタイルだ。  ではどうして「ナマハゲ」と呼ぶのか。昔の家というのは囲炉裏が唯一の暖房だった。そので囲炉裏に長いことあたっていると、手や足に火ぶくれができてしまう。この火ぶくれのことを、方言でナモミとかアマミなどと呼んだりする。そんな火ぶくれ、つまりナモミとかアマミとかいうものをはがして回るのがナマハゲなのだ。つまりナマミハギ、アマミハギというのが訛ってナマハゲになったわけだ。
今は秋田のナマハゲが有名になっているが、実は東北地方から北陸地方にかけて、このナマハゲに類似した行事はたくさん見られる。  では、ナマハゲは怠け者をこらしめて回る説教好きな鬼なのか、というと決してそれだけではない。火ぶくれをはがして歩くということも、こらしめるのではなく、それが一年間の災いや穢れを取り払い、すがすがしく新年の祝福を与えてくれる行為だと考えれば、ナマハゲもアカマタ・クロマタ同様にマレビト神だということになる。
このようにマレビト神は、時として異様な風体で訪れるため、怖がられることも多い。その最たる例が節分の鬼だろう。古代中国から取り入れられたこの行事は、もともと方相氏(ほうそうし)と呼ばれる神がやってきて、悪い厄神を追い払うという内容であった。それがこの方相氏、顔が黄金で目が四つ、頭には角のようなものもあって見るからに恐ろしい。そのうち、この恐ろしい役が鬼ではないかと、勘違いされるようになって、ついには追い払われるようになってしまった。つまり、本来、節分というのは本当はマレビト神がやってきて、悪いものを追い払ってくれる行事であったのが、いつの間にか悪い鬼を追い払う行事だということになってしまったのだ。こうして見ると、マレビト神というのは遠くからわざわざやって来るほどの神様なので、強大なパワーを持っていると考えられていたことがわかる。そして、普段から村の中にいる格の低い精霊たちを押さえつけてくれるのだ。このときマレビト神が格の低い精霊たちに向かって発する言葉こそ、「呪」の力を持った言葉、つまりは「祝詞」(のりと)ということになる。』

また、アルプス山麓のスイスの小さな町や、オールトラリア、ドイツ、スロベニアにもナマハゲと同じような行事があるという。

そう、ナマハゲはマレビト神なんですね。

このサイトでさんざん書いているあの「マレビト」です。(朝青龍マレビト論など)


しかもこの本ではサンタクロースも一種のマレビトではないかと言っている。

そう外からやって来て福をもたらす神はマレビトなんです。ただそれは、時には福だけではなく災いをももたらすこともある。
だいたい神様には二面性があるんです。

また、この本の中に「仮面」の項目がある。「お面は祭りにも数多く登場する。その種類は多種多様であり、私たちの想像力が無限であることを知らせている。人、神仏、鬼、動物……。私たちはお面を被ってみるだけで、普段の自分じゃない何ものかに変身することができる。実際、お面は変身願望を手軽に実現する便利な道具であるのみならず、変身したことを視覚的に表現する効果的な手段である。非日常的な時空を出現させるお祭りにおいて多用されてきたのも当然だろう。  秋田県男鹿半島に伝わるナマハゲは、蓑笠や藁靴にも増して鬼の面が印象的である。……後略」

この騒動を起こした男も、ナマハゲの仮面を被ることにより、自身の本来持っていた「悪意ある者」へと変身したということではないでしょうか。

マレビト神が「福」ももたらせば、ときに「災い」ももたらすということになるならば、この男は「災い」をもたらす者だったということになる。
彼に下された罰は軽いが、「ナマハゲ」という貴重な行事を穢したこの行為は、かなり深刻な「災い」を招いたのではないでしょうか。


次回は「蘇民祭のポスター」にはどこか「死」のイメージがある、について書きます。

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消えた二十二巻

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