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雑多な映画の話。黒澤明は「ネコバス」が好きで、宮崎駿は「太平記」に興味があった!?

物語を物語る

「黒澤明・宮崎駿対談集 何が映画か」(徳間書店)から

黒澤 (司会者に促されて)宮崎さんの作品は、僕、みんな見てますよ。「紅の豚」は残念ながら見てないんだけども。
宮崎 いえ、ご覧にならないでください。恥ずかしい……(笑)
黒澤 でもね、言ってくれといわれると困るんだよな。
宮崎 困りますよね。
黒澤 好きなんだよね。好きでさ、面白いから好きになって見てるんでね、それをどう説明したらいい     か……。とくに「となりのトトロ」の、あのバスなんか好きだったな、面白くって。
宮崎 どうも。いやあ……。
黒澤 ああいうことは僕みたいな映画撮ってる限りできないことですから、羨ましいなと思うね。

ということで、黒澤明は「ネコバス」が好きだということが分かった。とっさに「ネコバス」を挙げている点からも、「となりのトトロ」をよく見ていたことになる。
でも、好きな映画として挙げた「となりのトトロ」で、黒澤が興味を引いたのは、ストーリーや面白い場面ではなく、それほど登場しないサブキャラクター「ネコバス」だった。その点が私には気になって仕方がなかった。
ただ単に、そのとき「ネコバス」がパッと頭にひらめいて、ただ口走っただけなのかもしれない。しかし深層心理学において、とっさの一言やポロッと出る言い訳に、ふだんは隠している深層心理や性格が出てくるという。あの不思議な造形の生き物(?)のどこかに、黒澤明の隠された深層心理を知るいいヒントがある(それがどこか作品に反映されているはず)、と思ったのだった。それを基に、またまた話を広げに広げて大風呂敷の与太話を書こうと思ったのだが……、これもまとまりそうにもないのでやめました。(ただ、あとで何か思いついたら書き足します。)
また、黒澤明が大林宣彦監督の「さびしんぼう」が好きだという話も他のサイトで読んだ。(Wikipediaにも出ていた。)
「となりのトトロ」と「さびんぼう」はともに、ノスタルジックな郷愁を誘う雰囲気が漂っている。これが黒澤明の嗜好にあっていたのだろう。
また「さびしんぼう」には富田靖子扮する「ピエロ」のような不思議なキャラが登場する。(ヒロインと二役) そこがよかったのかもしれない。
晩年の黒澤明作品は観念的なものが多い。これを読み解くには、この2作を糸口にしていけば何らかの面白い評が書けるかと思ったのだが……。


で、また「何が映画」からの引用。


宮崎 ……僕は時代劇を一度はやってみたいなと思っているんでけど、こればかりは難しい。どうしていいかわからないんですよね、ほんとのとこ。
黒澤 時代劇、あれは僕はとっても面白いと思うのは、時代劇というと、殿様に対して忠義でなきゃいけないとか、いわゆるそういうモラルがあるでしょう。そういうものはむしろ、徳川時代になって、自分の家の安全のために作ってたんであって戦国時代はとても自由なんですよ。だから、家来であっても「この主人、こりゃだめだ」と思ったら、平気で鞍替えしている。
宮崎 ええ。
黒澤 そういう時代だからこそ、秀吉みたいのが出てきたんだしね。だから考え方が実に自由です。あんな忠君愛国みたいな、絶対に主人には忠実、じゃないんですよ。だめだったら平気で「フン」といって出てっちゃうような時代です。それを書いたら僕は面白いと思いますね。ほんとに自由なんですよ。よくイギリスの人なんかが、シェイクスピアをうまく翻案している。マクベスみたいな人は日本にもいたんですよ。ほんとうにそうなの。だからわりとすんなり、日本の話がシェイクスピアなんかになりますね。シェイクスピアやったらどうですか、日本の時代劇にして。たくさんありますよ、面白いのが。どう?
宮崎 いや、これは……、う―ん。 まずその時代、何を食べていたのか、何を着ていたのか、といところから入らないと。
黒澤 でもね、その文献ならありますよ。昔のもののほうがあるんです。献立を書いたものとかが。
宮崎 室町というのはどうですか。
黒澤 室町頃だってありますよ。室町もいい時代だけどね。しかしやっぱり鎌倉……。
宮崎 南北朝でめちゃめちゃになりますね、「太平記」の時代に。何があったかよくわからな   い。あの時代は僕はどうなのかと興味があって……。
黒澤 そうね、……。


これは、1993年4月の対談となっている。この本では、対談集といいつつも、宮崎が黒澤に質問するという形がほとんどとなっている。内容は「七人の侍」での甲冑や刀、馬のことなど細かい点についての質問が多い。
考えてみれば、宮崎駿はこの後に「もののけ姫」を作っている。1995年から制作が始まり97年に公開。
つまりこの時期が「もののけ姫」の構想段階だということだろう。ここでも「室町時代はどうですか」と宮崎が自分から切り出しているので、この時代を舞台にした話を考えていたのだろう。
この対談が「もののけ姫」に影響されているのではないかと思い、合わせて、浦谷年良著「「もののけ姫」はこうして生まれた」(徳間書店)を読んでみた。
黒澤明 宮崎駿
ここに、黒澤明や七人の侍に関する記事が出てくる。
「主人公アシタカの帯の位置が高いのは『七人の侍』の三船敏郎扮する菊千代と同じ。これは若さと未熟さの象徴……」
「(宮崎)自分でも大好きな時代劇、黒澤映画の最高傑作とも言える『七人の侍』を仮想敵にすることに覚悟が決まったのだろう。」
「(絵本『もののけ姫』のイメージボードが)……導入部は黒澤明監督の『蜘蛛巣城』にそっくり……」
など。
またこの件に関しては、更に詳しいサイトがあったので、そのあたりはそちらをどうぞ。
http://www.yk.rim.or.jp/~rst/rabo/miyazaki/kurosawa_miyazaki.html

ただ、「もののけ姫」の舞台は室町時代後期・戦国時代初期であった。対談集にあったように「興味のあった南北朝時代、太平記の時代」ではなかった。それは私的に残念。ジブリで「太平記」のアニメ化なんてなったら、いいんですけど…。(あるわけないじゃん。)

さて、「となりのトトロ」と「太平記」が出たついでに、トリビア話。
「となりのトトロ」のカンタの声をあてた俳優は、雨笠利幸という子役ですが、この子は、NHK大河ドラマ「太平記」の足利尊氏(真田広之)の子ども時代を演じていた人でした。いまは俳優業をやってないようですが……。

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