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直木賞作家・北村薫は達人だ。

物語を物語る

第141回芥川・直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が15日、東京・築地の「新喜楽」で開かれ、直木賞は北村薫さん(59)の「鷺と雪」(文芸春秋)に決まった。

平成21年7月15日

おめでとうございます。というよりやっとですね。もうとっくの昔に受賞してもおかしくない作家ですよね。
私は、推理小説にはまっていた時期によく読んでました。
ちなみに、私のベストは「円紫さんシリーズ」の「六の宮の姫君」です。
北村薫 六の宮の姫君
芥川龍之介や菊池寛など大正昭和の文学をめぐるミステリー。殺人も事件も起こりませんが本格的謎解きとなっている。
主人公が卒論を書くために文献を紐解いて、仮説を立てていくという地道な作業をしていくのだが、その過程で行われる思考が、実にスリリングでサスペンスに富んだものであると読者は知ることになる。論文を書くというプロセスが、実は謎解きミステリーと同じ方法だということだ。こんな風に書くとそんなの当たり前じゃないかといわれそうだが、実際にこれをエンターテーメント・推理小説にするとなるとなかなか難しい。大きな事件も起こらず、女子大生が卒論を書くという設定だけで、見事な本格推理小説にしているというところが凄いのだ。(しかもガチガチの固いものにもなっていない)
北村薫の第一の功績は、ミステリーの幅を広げたという点にあるといわれるが、それは円紫さんシリーズの中でも特に地味な「六の宮の姫君」を読むとよくわかる。これで本格謎解きが成立させてしまうのだから、殺人事件のナゾを解くだけがミステリーじゃないんだというのがわかる。(これは私の中で衝撃的だった) この方法論は歴史ミステリー小説にも通じるので、私もかなり影響されました。 

また北村薫は本読みの達人としても知られ、北村薫が書いた帯のついた本も多い。
この帯の文が鋭く、わかりやすいとの評価があり、北村薫の推薦の帯が付いた本にはハズレがない、ともいわれた。
以下「このミステリーがすごい!傑作選」(別冊宝島編集部編)、座談会の部分からの引用。


A、(帯の話で)……北村薫のは含蓄が深いですね。
B、森博嗣の3作目「笑わない数学者」の推薦文はとくにすばらしい。あそこに北村薫の文章がないと、勘違いした批判がすごく出たんじゃないか。一見ありがちなトリックでひっぱる失敗作に見えるけど、そうじゃない読み方があるんだと、この短い中にちゃんと書いてある。表紙の裏の帯にかくれている部分を読んでから本文にかかれば、心の中に準備ができているから、なんでこんなすぐにわかるトリックに誰も気がつかないんだとか、腹を立てることもないわけです。ほかにも、ほめるのが難しい作品ばかり、うまくほめている。作品に欠けている部分を補完してやったり、「名探偵の掟」は作品自体は東野圭吾のものではわたしは買わないですけど、この帯の<自虐趣味>というのも、ある程度読み方を誘導していて感心しました。
C、さすが、元教師。
D、北村薫が作品にそって、読者指導的に誠実な文章を書くタイプ……。


ちなみに、東野圭吾「名探偵の掟」の帯は「本格推理の自虐趣味が<をかし>の領域に行き着いた」
森博嗣「笑わない数学者」の帯は「森博嗣の名刀……その切っ先がどこに向いているかを見誤ってはならない」
とある。
私が気に入っているのは、高田崇史 「QED―百人一首の呪 」 (講談社ノベルス・第9回メフィスト賞受賞作)の帯。
《この作品には虚を衝かれました。なるほど、こういうやり方もあるのかと感心しました》
この帯に惹かれて、この本を手に取った。私はこれで歴史ミステリー作家・高田崇史を知ることなる。

この本を読むと、北村薫の文がじつに的確だとわかる。この小説ですぐれている点は「トリッキーな方法論」であることを見事に見抜いているからだ。
そこをうまくくみ取って、一文にしていまうのだから、まさに「匠」の業師だ。

そしてしみじみ思った。
こんな先生に国語を教わりたかったな……と。

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