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物語を物語る

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小室直樹にはまる。

物語を物語る

山本七平小室直樹の対談集「日本教の社会学 」を読んでから、小室直樹にはまってしまいました。
山本七平・小室直樹対談集
この2人の知識量はすごい。特に宗教関係の知識は半端ない。
私的には、山本七平の「空気の研究」をさらに噛み砕いて説明しているのでより分かりやすくなっていて、そこも良かった。
何といっても、この二人の対談から、すべての日本人は「日本教」「天皇教」の信徒であるというのがわかる。

ここから小室直樹をいくつか読んでみた。

小室直樹「倫理の方法」
「倫理の方法 社会科学のためのモデル」「日本人のための宗教原論」は読むだけ普通にためになる。難解なことも平易に説明してあるのでとても理解しやすい。
なにしろ丸山真男と平泉澄と山本七平を同時に語ることが出来る人なんてそうはいないでしょう。

小室直樹「新戦争論」
「新戦争論―“平和主義者”が戦争を起こす」 今では9条信奉の平和ボケの論者は「頭の中がお花畑」などと嘲笑の対象となっているが、70・80年代サヨク全盛の時代に平和主義者を猛烈に批判しているのがすごい。戦後民主主義者や進歩的文化人たちと対抗した「保守派」をいまこそ見直す時ではないのか。
小室直樹「三島由紀夫が復活する」
「三島由紀夫が復活する」、表紙が……。しかし、三島由紀夫の「豊饒の海」の唯識の解説は分かりやすい。小室直樹は他の本でも三島由紀夫を激賞している。
小室直樹「日本国民に告ぐ」「日本国民に告ぐ―誇りなき国家は、滅亡する」は総まとめといった感じ。


さて、小室直樹の「天皇論」は独特である。
どんな本でも最後には、“「天皇」は神である。その「神である」とは「キリスト教的神である」ということである。”という結論になる。
「予定説」と「因果律」で天皇を語るのだから奇説であろう。しかし、これが面白い。
小室直樹「天皇の原理」「天皇の原理」という題だが、本の4分の3は「キリスト教」「ユダヤ教」「イスラム教」の説明である。
ちなみに一文を引くと

イエスは、復活によって、真の人、真の神になった。死んで、また復活。これがキリスト教の根本教義。復活を信じれば、それだけで救済される。(「ローマ人への手紙」)
神としての天皇の死と復活も、これと同型。「天皇は神である」とする古代以来の天皇イデオロギーは承久の乱で死んだ。
そして崎門の学を中心とする論争過程を通じて幕末に復活する。
この死と復活の過程を通じて、天皇の神格は確立された。真の人、真の神として。人間の肉体をもった神として。現人神として。キリスト教的な神として。
古代天皇のイデオロギーにおける神としての天皇は、神格があいまいであった。キリスト教的予定説的神としての神格は奥に沈み、汎神論的神としての神格が浮き上がっていた。汎神論の神としての神格が浮き彫りにされると、それと結びつく人のほうは、ただの人に流れ易い。預言者的人格とは結び付きにくいのである。

ここだけ抜いても何のことか分かりづらいでしょうけど、大体こんな感じです。
「倫理の方法 社会科学のためのモデル」では、

「…イスラエルの民が、もしヤハウェ意外の何物かを「神」としたならば、約束の地を与えられない話ところではない。すぐさま、皆殺しにされるのです。このことは、「旧約聖書」に繰り返し強調されていることなのです。
「掟を守るかどうか」が原因となって、「約束の土地が与えられるかどうか」が結果として決まるというのであるから、これは因果律」であるわけです。
これに対し、日本の場合にはどうなのか。何の条件もないのです。
神勅の最後の文章は「宝祚の隆まさんこと、当に天壌とともに窮無かるべし」すなわち「天皇が隆(さかえ)られることは、まさに天地とともにきわまることがない」と言うのです。
日本という豊かな土地に天皇以下の日本人は永久に住んで栄えるだけではない。そのための条件は皆無なのである。天皇と日本人とが何をしなくても、彼らを末長く繁栄せしめるという神の意志は、一貫して不変なのである。
これまさに「予定説」(predestination,Vorherbestimmung)ではないか。明らかに因果律(causality)ではない。
因果律が仏教の根本論理であるように、予定説はキリスト教の根本論理である。
日本の天皇はそのはじめにおいて「キリスト教論理」を取りきったのです。

といった感じである。

ここで面白いのは「小室直樹」という人物そのものだ。これだけ宗教に造詣の深く、高い学歴を持ち、教養のある人物が、何と、天皇の中から「神」を発見したということなのです。
これはキリスト教徒の中でも天皇崇拝者(佐藤優、山本七平など)が結構いるということもあり、「天皇」を考える上でとても興味深いところとなります。

小室直樹……、検索すればいろいろ出てきますが、実に不思議な人だ。

でも私にはそこが魅力である。
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