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物語を物語る

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「日本文化」を売り込むことが閉塞感の打開策になるのでは……。その2

物語を物語る

平成22年5月16日 読売新聞経済面「けいざい百景」 編集委員 安部順一
「まんが課」誕生のわけ

高知県に4月、都道府県で初めてという「まんが課」(正式には「まんが・コンテンツ課」)が誕生しました。
「なぜ高知県に?」と思う方も少なくないでしょうが、実は高知県は、「フクちゃん」の横山隆一さん、「アンパンマン」のやなせたかしさん、「女の子ものがたり」の西原理恵子さんら、数多くのまんが家を輩出してきた「まんが王国」なのです。「自由民権運動以来の風刺画が、まんが家を生み出す風土を作った」との説があるそうです。
1992年から毎夏開いている「まんが甲子園」(全国高校漫画選手権大会)には、全国から300~400校が参加し、予選を勝ち抜いた30校が高知市に集います。本選には人気コミック誌が編集者を送っており、過去3年で56人がスカウトされ、マンガ家への道を歩んでいます。
これまで文化振興の側面が強かったのですが、「まんが課」誕生を機に、まんがを産業化し、経済振興にもつなげようというわけです。
もちろん、裏にはしたたかな戦略があります。高知県は巨大市場の首都圏から遠いという地理的なハンデがありました。しかし、インターネットや携帯電話向けのまんが配信(デジタルコンテンツ)が普及すれば、そのハンデがなくなります。大規模な施設投資も必要ありません。「まんが甲子園」を通じて培ったコミック誌やまんが家とのコネクションも生かせます。
まんが家など起業家が出会う場所を設け、事業化に向けた官民の連携組織を作って、県はコネを生かしたアドバイザーの紹介や補助金などで支援する――。高知県が描く産業化の姿です。
初代「まんが課長」となった伊藤博明課長は「まんが王国・土佐をブランド化し、年商20億円産業に育てたい」と意欲を燃やしています。
日本のまんがやアニメをはじめとするソフトパワーは、「クール・ジャパン」(かっこいい日本)として海外で人気を集める一方で、国内ではサブカルチャーの扱いにとどまってきました。「ビジネスにして儲ける」との発想も十分ではありません。
読売新聞は経済再生に向けた緊急提言で、「文化産業立国を目指そう」を掲げ、ソフトパワーを成長産業に育てるため、国が事業化までを支援するなど、国家戦略としての取り組みを求めました。
経済産業省や日本経団連もコンテンツ産業の振興に注力するように求めています。
それらを一歩先取りした高知県の取り組み。「さすが坂本龍馬を生んだ県だ」と言われるような成果が上がるか、先行きが楽しみです。


こういう記事を読むと、麻生政権時の「アニメの殿堂」(国立メディア芸術総合センター)などは必要だったのではないかと思う。現政権は削減縮減ばかりで削ることを主眼に置きすぎている。これからは日本文化を高めることが経済発展につながる、そう思えてならない。(過去記事「日本文化」を売り込むことが閉塞感の打開策になるのでは……。)


また、岸 博幸の“「アニメの殿堂」ほど正しい予算の使い方はない”の記事を読んで納得。まさに正論だと思ったのでそのままコピペしました。(民主党政権前の記事)
http://it.nikkei.co.jp/internet/column/mediabiz.aspx?n=MMIT12000008062009
 

5月29日に14兆円規模の 2009年度補正予算が国会で成立したが、野党を中心に「無駄遣い」「バラマキ」批判が続いている。特に無駄遣いの象徴とされたのが事業費117億円の「アニメの殿堂」だが、見当違いも甚だしい。むしろ、無駄遣いとバラマキばかりの補正予算の中では数少ない真っ当な予算と評価すべきなのである。この問題を巡る政策論争と報道を見ていると、日本のクリエイティブ産業の将来は暗いと言わざるを得ない。

■ハリウッドの有名人は「まんだらけ」に行く
 「アニメの殿堂」の正式名称は「国立メディア芸術総合センター」といい、世界が評価するアニメ、マンガ、ゲームなど日本のポップカルチャーの展示施設を新たに整備しようというものである。この予算を民主党は「国営マンガ喫茶」「アニメの殿堂」と喩耶して、今回の補正予算の無駄・バラマキの象徴として政府への批判を強めている。ワイドショーを中心に、メディアもそれを面白おかしく取り上げている。
 だが、ちょっと待ってほしい。そうした人たちは、アニメやマンガを巡る日本の現状を理解しているのだろうか。それらが世界的に高く評価されていることは誰でも知っているだろう。浮世絵、黒沢明監督の映画などに続く日本文化の久々の快挙である。それにもかかわらず、オタク発・草の根出身の文化であるがためか、国内では冷遇されているのである。
 例えば、日本のアニメの影響を受けたハリウッドの有名監督や大物プロデューサーが来日すると、必ずアニメやマンガが集まっているところに行きたがるのだが、結局みんな東京・渋谷の「まんだらけ」(マンガや同人誌の専門店。希少価値のある絶版本やおもちゃも扱っている)に行くそうである。
 なぜそうなるのか。地方には石ノ森章太郎氏の美術館など地元出身の大御所漫画家の作品を展示した施設はあるが、世界が評価するアニメやマンガを体系的にアーカイブし、その歴史や資産をちゃんとまとめた場所がないからである(東京・秋葉原に東京アニメセンターがあるが規模は小さく、そうした機能は果たしていない)。

 日本にはアニメやマンガの大規模な見本市があり、例えば今年の東京国際アニメフェアには3日間で約13万人が来場し、その10%程度が外国人だったという。1万人を超える外国人が新しい作品の取引の場に来ているのに、彼らに文化としての歴史や資産を体系的に見せる場は存在しないのである。

 ついでに言えば、アニメの黎明期の撮影機は世界に数台しか現存しないが、東京都に譲渡されたそのうちの1台は、倉庫に保管されているらしい。世界的にも貴重な文化資産が死蔵されているとしたらいかがなものか。また、日本のアニメやマンガの歴史を体系的に理解している日本人は意外に少なく、よほど外国の研究者の方が詳しい。

 このように、アニメやマンガは今や日本の現代文化の代表であり、世界中から評価されているにもかかわらず、文化の常識ではあり得ないくらいに国内で冷遇されているのが現状なのである。

■文化は政府が保護・発展させるべき

 アニメやマンガは単なる娯楽ではない。今や文化なのである。文化である以上、政府が維持・保護・発展に関与するのは当然である。ハリウッドの有名監督が来日して日本のアニメやマンガを堪能できる場所が本屋しかないというのは、国として恥ずかしいと思うべきである。

 同じような過ちが過去の映画文化にもあったことを思い出してほしい。日本映画の巨匠である黒沢監督が不遇の時代、彼を応援していたのは日本人や日本政府ではなく、スピルバーグなどの外国人だったのである。そして、同じことがアニメの世界で起きている。優秀な人材はどんどんハリウッドに流出してしまう。アニメ映画で有名な米ピクサー・アニメーション・スタジオでは数十人の日本人が働いているそうである。

 私の結論は簡単である。「アニメの殿堂」が今まで日本になかったことの方が問題なのであり、そのための117億円は無駄な補正予算でも何でもない。民主党はむしろ、政府の対応が遅かったことを問題視すべきではなかったか。「国営マンガ喫茶」というネーミングの妙には敬意を表するが、やはり問題の本質を外していると言わざるを得ない。

 しかし、民主党以上に問題なのは自民党である。何故、上記のような事実を淡々と説明して堂々と必要性を主張しないのだろうか。かつ、どうやら建設後の運営については独立採算が基本で国費を投入しないらしいが、大事な文化の維持のためにそれで本当によいのだろうか。もし民主党に攻撃されたくらいで独立採算の方向になったのだとしたら、これほど嘆かわしいことはない。政策についての信念がない証左である。

■ワイズ・スペンディングを実現させない政治

 私はこれまで、テレビや雑誌などで今回の補正予算を散々批判してきた。実際、「100年に1度の経済危機」という呪文を使って「100年に1度の霞が関バブル」を引き起こしたのは問題である。経済危機に対応すべく、思い切った財政出動に踏み切った政治決断は評価すべきである。しかし、その中身を霞が関の官僚任せにした結果、無駄遣いやバラマキの山となり「ワイズ・スペンディング」という掛け声とは正反対の内容になってしまった。

 繰り返しになるが「アニメの殿堂」は無駄遣いやバラマキの代表ではない。他に問題とすべき予算は山ほどあるのだから、民主党はそれらの正しい事例を挙げて攻撃すべきではないだろうか。

 例えば、補正予算は日本の将来の成長性を高める分野に使うべきなのに、羽田空港の滑走路拡張は65億円の一方で、短期的な経済効果がなく中長期な成長性にもほとんど貢献しない、肉牛農家への補助やサラブレッド生産者の経営を支援する基金には計130億円も積まれているのである。日本の将来のためには羽田空港より牛や馬の方が大事と判断されたのである。

 しかし、今回の「アニメの殿堂」騒ぎを見て、改めて財務省が可哀想になってしまった。財務省は補正予算の総額を大きくしろという政治の要請と、知恵のない各省庁からの陳腐な予算要求の狭間で、短い時間の間にかなり不本意な予算査定を強いられたはずである。それだけでも気の毒だが、それに加え、補正予算批判の筆頭で正しい予算があげつらわれるのだから、踏んだり蹴ったりだろう。日本を悪くしているのは官僚だけではない。政治の貧困がそれを加速しているのである。

これはほんといい記事だ。


日本に「アニメの殿堂」が出来たら外国人観光客はこれを目指してくるだろう。こういう点をもっと重視して、「箱モノだから」とか「天下りになる」とか「官主体はよくない」とか、本来のあるべき「日本文化の強化」を抜いた批判ばかりだった。(だから事業仕分けでは「文化」事業の予算を平気で切ってしまう。過去記事)
それにこういった「文化」を一段下に見る風潮もいまだに強い。
サブカルもオタクもマンガもアニメも「日本文化」なのだ。「アニメ・マンガ」で「文化防衛論」

日本はいま何が強いのか、どこを強化していけばいいのかを考える時だ。
非難・批判・悲観論はもう聞き飽きた。

続く……。


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