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パリでシェフを目指す日本人は増えて、ハーバード大学に留学する日本人は減っているのはなぜだろう?

物語を物語る

平成21年8月16日 読売新聞 国際面

和製フレンチ パリ席巻
「繊細」「理解早い」若手料理人が活躍

パリのフランス料理界で日本人の若手料理人たちが旋風を巻き起こしている。
日本人がスターシェフを目指した1960年代以降の動きと違い、ビストロやワインバーなど大衆的な店の厨房に続々と浸透中。その大半を占める30歳代の職人たちは、和食のエスプリ(心)を仏料理に注ぐ文化使節の役割も担っている。(パリ 林路郎)

バスチーユ広場から東へ徒歩で約10分。日本人とあまり縁のない一角に、地元客が集まるワインバー「レスト・ザンク」がある。
その厨房を、仙台市出身の高橋礼継さん(33)が一人で仕切る。ニンニク、赤ワイン、子牛のブイヨンを煮詰めたソースに乳飲み子豚の蒸煮とネクタリンを合わせた創作料理が「今日のおすすめ」だ。
「毎晩メニューは替えるし、50食は調理します」と高橋さん。サービス係のニコラさん(29)は、「何人もシェフを見てきたが、彼が一番。繊細さ、優雅さが息づいている」と太鼓判を押す。
高橋さんが高校を出た90年代半ば、日本は就職氷河期だった。「未来は暗い。会社勤めより手に職を持て」と洋菓子店を営む伯父に促され、料理を志す。国内で修業し、2006年に渡仏。数店を渡り歩いた末、仕入れ、買い出し、調理、掃除のすべてを任せてくれるこの店に落ち着いた。
高橋さんのような日本人が増えている。日本人の料理人が何人いるのかの「統計はない」(仏移民省)が、業界に詳しい料理人、稲沢尚徳さん(28)は「レストランガイドの『ミシュラン』で3~1個の星が付く高級店なら最低一人は日本人がいる。それ以外も含めると1000人単位になるのでは」とみる。
多くは、マンガ「美味しんぼ」やテレビ番組「料理の鉄人」を見て育った世代。料理人は英雄だ。高橋さんも稲沢さんも「いつかはフランスで自分の店を出したい」と口をそろえる。
もちろん、楽な道のりではない。見習いの間は店の屋根裏に寝泊まりし、まかない料理で腹を満たす。たまに星付きの店で豪快に食べて勉強する。
この10年来、日本人を雇っているパリ5区「ラ・トリュフィエール」のシェフ、ジャンクリストフ・リゼさん(34)は、「日本人は自国の料理の伝統・文化をよく知っているから、仏料理も早く理解する」と証言する。
厨房の2番手、武田常嗣さん(35)は、「シェフの料理を仕上げるのが自分の役目」と忠誠を誓うから、信頼も厚い。仏料理を愛する日本人と店は相思相愛の関係だ。
素材重視の色彩豊かな料理で知られる16区の三星店「アストランス」のシェフ、パスカル・ボルボさん(37)は、「日本の料理人と素材の使い方や技術についてアイデアを交換するのが好き」と言う。その交流から、利尻昆布やカツオだし、玄米など日本の食材を大胆に取り入れた。
日本人なくして成り立たないパリの店は、かなりの数に達したように見える。

「日本人は自国の料理の伝統・文化をよく知っているから、仏料理も早く理解する」といったことや「日本の食材をフランス料理に取り入れるといったことも文化交流になる」といった話も興味深く、なるほどと感心した記事です。アニメ・マンガ、映画に食文化など、日本とフランスの文化的親和性は高いので、十分に納得できる話ですね。
もともと日本では「一芸に秀でる」「一つのことを極める」ことを尊ぶ国民性もあって、料理人、シェフが「芸術家」のように尊敬されるという国は、日本やフランスくらいで、他にあるのだろうか。(この国民性があるからこそ、日本人シェフがフランスに馴染むことが出来るということ)

さて、ここで「日本文化」の広まりをいろいろと語りたいところですが、ここでは違う点に注目してみた。
パリの日本人シェフが増え、多くの若者がフランスに料理修業へと「海外に積極的に出ている」という話とは、全く正反対の記事があったので、並べてみました。
以下、その記事。
http://news.livedoor.com/article/detail/4723475/から。
日本人の米国留学 10年で4割減少の理由

「留学といえば米国」という潮流に変化が起きている。この10年で米大学の日本人学生の数は約4割も減少した。日本人が「草食化」して内向きになったのが原因だとする米国メディアもあるが、日本から米国以外への留学は減っていない。なぜなのか。
米国で国際教育に携わっている非営利団体「IIE(Institute of International Education)」が毎年出しているレポートによると、米国内の日本人留学生の数は、2009年で2万9000人だった。10年前の1999年の4万 6000人から約4割も減少している。一方で、中国や韓国といった国々からの留学生は軒並み増加、最も多かったインドに至っては、10年前の2倍以上にもなっている。
ハーバード大の学部入学生、日本人は1人だけ?
米国でも話題になっているようで、2010年4月11 日付けのワシントン・ポスト紙に「かつて米国の大学に惹きつけられていた日本人学生が、内に籠もるようになった」という記事が掲載された。ハーバード大学の日本人留学生の数も15年間減少を続けており、09年に学部入学した日本人はたった1人だったと報じている。
記事では、減少の理由の1つとして、景気悪化などと並んで日本人の「草食(grass-eater)化」を挙げている。日本の最近の若者はリスクを避け、自分の世界で満足しようとする傾向があるとしている。

ハーバード大学のファウスト学長も同紙のインタビューに答え、「日本に行ったとき、学生や教育者から、日本の若者が内向きになっており、冒険をするよりも快適な国内にいるのを好むようになっていると聞きました」と話している。
確かに日本国内では、米国の大学教育は厳しいというイメージがある。米国留学に関連した国内機関からも「最近は意欲のある学生が減っている」といった声が挙がっている。


ここでは日本人の海外留学生が減った理由として、日本の若者が「内向きになった」「草食系が増えた」などと結論付けています。確かにその傾向はあるでしょう。しかし、それでは、最初の「パリの日本人シェフ」の話はどうなるのでしょうか。日本人の若者だって、明確な目標があって、こうなりたいというビジョンがあれば、積極的に海外に出て学ぶのだ。それは、「パリの日本人シェフ」の記事をみても明白なことでもあり、IT関連や芸術など様々な分野で、「海外に出る若者」の話はいくらでもある。
簡単に言ってしまえば、日本人の若者の意識の変革が起こっているということではないのか。「ハーバード大学でエリートを目指すこと」と「パリでシェフを目指すこと」が同価値になってきたということではないだろうか。(あくまでも私見です)
つまり社会の価値観が変わってきていて、各々の選ぶ人生が多様化しているということなのではないでしょうか。
社会が成熟してくると、発展途上の国々が持つ特有の「エリートの立身衆世」が尊ばれるという時代は過ぎたということではないのか。(韓国・中国・インドの米国留学は増えている)
だから、一概に「内向的傾向の日本人」と片付けてよい話でもなく、「海外留学減少」(米国だけ減っている)は、別なところに問題があるのではないかと、思うのだが……。(日本人は消極的、内向き→閉鎖的、こういったイメージを植え付けたい人たちがいるのでは……。)

それでも「ハーバード大学」などの超エリート大学にいって学ぶことや、シリコンバレーで働くことがエライなんて思っている人間にとっては「料理人と一緒にするななんて」っていって怒りそうな解釈ですが……。

過去記事(少し関連記事)
 渡辺千賀の「日本はもう立ち直れない」と忌野清志郎と小室哲哉
「うの」と「カツマー」と「清貧の思想」

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