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「アニメは日本文化を救えるか」  第1回 アニメでカネ儲け主義に走れば、アニメ文化は衰退する。

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「アニメは日本文化を救えるか」 
第1回 アニメでカネ儲け主義に走れば、アニメ文化は衰退する。


最近、「アニメを売り込め!」「クール・ジャパン!」をお題目とした新聞記事がいくつか出ていたので転載してみた。

クール・ジャパン 海外の人気を成長に生かせ
 海外での日本ブームは「クール(かっこいい)・ジャパン」と呼ばれている。これを企業の海外進出につなげることに、もっと知恵を絞りたい。
 日本のアニメや漫画は海外の若者から絶大な人気を得ている。ファッションの注目度も高い。すしなどの和食は「健康にいい」と好評だ。
 しかし、その人気が、必ずしも日本の関連産業の海外展開に結びついていない。アニメ産業は中小零細企業が圧倒的で、繊維産業の輸出も伸びていない。世界で急増する和食レストランも、その多くが日本人以外の経営だ。
 日本がせっかくの人気を経済成長に生かせないのとは対照的に、アジア各地で存在感を増しているのが韓国である。
 経済産業省の報告書によると、香港、バンコク、シンガポールなどのCD・DVD売り場は、韓国ドラマや韓国人歌手らのKポップがあふれている。中国では「韓国のユニクロ」と言われるファッション企業が売り上げを急速に伸ばしている。
 韓国ドラマが人気を得ると、韓流スターの着こなすファッションを売り込み、「韓国ブランド」の向上をテコに、韓国製品の売り上げにつなげる――というビジネススタイルを、官民挙げて築きつつあるようだ。
 日本は、海外で「クール」ともてはやされることに満足して、ビジネスに生かす発想と努力を欠いていたのではないか。
 経産省が6月、クール・ジャパンを日本経済活性化の起爆剤の一つと位置づける「文化産業立国戦略」を策定したのも、そうした反省に立ったものだろう。
 戦略では、海外展開に必要なノウハウも資金も不足している中小企業を対象に、商品開発から海外での販売契約まで一貫して支援する仕組みを整えることを盛り込んだ。着実に実施してほしい。
 政府は従来、クール・ジャパンの関連産業の育成は経産省、文化交流は外務省、和食の海外PRは農林水産省という具合に、各省庁が縦割りで対応してきた。
 これでは、「日本製イコール高品質」というブランドイメージが確立する欧米市場はまだしも、成長著しいアジア市場は韓国勢に席巻されかねない。
 韓国に倣い、省庁別でなく、ファッションと映画、食文化と漫画といった分野横断型の連携を強化すべきだ。省庁の“垣根”が依然高いなら、閣僚など政務三役が政治主導で進める必要があろう。
(平成22年8月30日 読売新聞 社説)

霞が関ウオッチャー:クール・ジャパンも縦割り打破で
 海外で「クール・ジャパン」と人気の日本のファッションや漫画。国内外への情報発信や人材育成を進めるため、経済産業省内に18日、「クール・ ジャパンプロジェクトチーム」(PT)が発足した。同省クール・ジャパン室を中心に各局の職員計40人が参加する大型プロジェクトになった背景には、製造 業同様、コンテンツ産業でも、アジア諸国に急追されているという危機感がある。
 7月上旬、日本文化を紹介する「ジャパン・エクスポ」がパリ郊外で開催された。日本の人気漫画のコスプレで盛り上がる若者を横目に、視察中の渡辺 哲也クール・ジャパン室長(PT事務局長)は、韓国政府系機関による韓国漫画ブースの展示に見入っていた。日本アニメの人気の高い欧州で目の当たりにし た、「クール・コリア」だった。
 韓国政府は約10年前から海外で通用する文化産業の育成に乗り出した。今では韓流ブームの日本をはじめ、アジア全体で韓国俳優や歌手が人気を博している。彼らは、自国企業の広告塔を務め、製品のイメージアップと輸出競争力の向上、雇用創出に貢献している。
 09年には「コンテンツ振興院」を新設し、文化、映像、ゲームなどの政府系5機関を統合。省庁の枠を超えて、文化政策や人材育成、海外戦略を一元 的に担当している。産業育成は経産省、文化交流は文化庁や外務省、和食普及は農林水産省など、縦割りで取り組んでいる日本とは大違いだ。
 渡辺室長は「オールジャパンで巻き返さなければ」と語るが、省庁の垣根を取り払うのはこれから。「他省庁を引っ張る気概」(直嶋正行経産相)で臨めるかが問われることになる。【立山清也】
毎日新聞 2010年9月1日 東京朝刊

アニメを売り込め、文化輸出で経産省が新部署

経済産業省は28日、日本のアニメやファッションなど文化関連産業を育成する専門部署を、来年度に新設する方針を固めた。

 経産省は製造業をはじめとする「従来型産業」の振興に力を入れてきたが、海外で根強い人気がある日本のアニメやファッション産業などを、新たな輸出産業に育てる狙いがある。
 新設されるのは「クリエイティブ産業部」(仮称)で、担当職員は50人程度の人員を想定している。2011年度予算の概算要求の組織改正案に盛り込む。
 政府は新成長戦略で、ソフト産業で「20年にアジア市場で1兆円の収益を上げる」目標を掲げている。新設部署は、映画やアニメの制作に関する資金調達、流通ルートの確保などを支援する方向だ。
(2010年8月29日19時07分 読売新聞)

これらの記事を読むと、どうも「韓国もやってるから日本もやろう」「儲かるならうちもやらなきゃ」といった感覚で、アニメを「金儲けの道具」として扱っているようにみえる。
だが、これではダメなのである。
私がいう「アニメ・マンガを売り込め」というとは、そこに日本文化があり、それを世界に広めることが「日本を守る」という事につながる「文化防衛論」にある。
過去記事
「けいおん」で「アニメ・マンガで文化防衛論」を説いてもあまり分かってもらえなかったけど、めげませんの記事や、
守るべきは日本文化! サブカル好きもポップカルチャー好きも、神社に集う歴女もアニオタも、みんな三島由紀夫が命に代えて主張したことを聴け!の記事や、
「アニメ・マンガ」で「文化防衛論」
など。

だが、新聞・マスコミ、政府の「アニメを売り込め」というのは、そこに「新たなビジネスチャンス」「成長産業」「外貨獲得」といった「金銭、モノ」としてしか見ていないのではないのだろか。
そこだけを追求していけば、いずれは失敗するであろう。
日本のアニメやマンガが発展したのはその独自性にあるのであって、市場やマーケィングばかりを追えば、ディズニーアニメのように平均的で無難なツマラナイ作品ばかりが作られていくことになる。
そうなれば本末転倒。市場重視の量産体制ならハリウッド制作のアニメにいつか日本アニメは駆逐されてしまうだろう。
そして、市場至上主義となれば、いつしか「中国」受けのいい作品ばかりが作られることになる。

ボンドカーも中国車の時代へ?中国企業、競ってハリウッド映画のスポンサーに―中国紙http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100906-00000025-rcdc-cnから
……ハリウッド映画のスポンサーになることは、中国企業にとって世界にアピールする絶好のチャンス。一方で米国市場の観客動員数が頭打ちとなるなか、ハリウッド側も新たな市場と資金確保の機会をうかがっている。ロサンゼルスのある映画制作会社は、中国のあらゆる業界はハリウッドにとっての「金鉱」だと話す。「わたしたちが(金融危機によって)受けた打撃は小さなものではありません。生き残ろうとするならば、今までの枠組を越えた発想が必要なのです」と中国との提携の意義を話している。

ハリウッド映画も人口12億の中国市場を取り込もうとして、中国人に受けのいい作品が多くなったという。
実際、日本でも「国民的アニメ「一休さん」、中国向けに映画化決定」という記事があった。http://www.hollywood-ch.com/news/10081801.html?cut_page=1

東映アニメーションが中国の2社とタッグを組み、中国向けに劇場アニメ「一休さん」を製作することになった。
TVアニメシリーズ「一休さん」は、1975年から82年にかけ、テレビ朝日系で放送された人気作。中国でも83年に初めて放送されて以来、何度も再放映され、今でも多くの中国人が「一休さん」のキャラクターや主題歌を知っているという。
タッグを組むのは中国のメディア企業SMG社と子ども向けの専門チャンネルToonmax社。SMG社は中国で数々の劇場アニメのヒット作を送り出し、Toonmax社は子ども向けの専門チャンネルとして、上海では絶大な支持を得ているという。
中国はアニメビジネスでも非常に大きな可能性に満ちた市場。「一休さん」は多くの中国人に愛されていることから、子どもだけでなく、親を含めて幅広い年齢層を取り込めると、共同製作が実現した。
東映アニメが脚本、キャラクター制作、背景美術、色彩設計、絵コンテのプリプロダクション部分を担当し、中国側が以降の作画などを行う。2012年2月、中国全土で劇場公開予定。日本公開は未定。
(キネマ旬報 8月上旬号より)

日本のアニメなのに、日本公開は未定とはどういうことだろう。
こうして市場主義に走れば、いくら日本独自のアニメといっていても、いつしか中国人向けのものを作るようになるだけだ。それはもう日本のアニメとはいえない代物あって、ましてや、そんなものは「日本文化としてアニメ」ではない。また中国人が喜ぶようなものを他の海外の人々が見て、「ジャパン・クール」といって好意を寄せてくれるはずもない。

それにアニメを国を挙げて売り込むといっても、どうも何か疑問が残る。
どの作品を、どの制作会社を売り込むの?それをどうやって選別するの?
まあ、政府のお役人の推奨するアニメなんて、考えただけでもクソ面白くないものばかり選びそうじゃないか?
「フルメタ?ふもっふ」、「涼宮ハルヒ」、「らきすた」、「けいおん」を経済産業省の役人が見るのか?(例えが、京都アニメーションばかりですいません)
それを面白いと思える柔軟な頭はあるのか?
アニメに付随するフィギャアやアニソンやコスプレを理解できるのか?
どうせ、結局は「ジブリ作品」とか「はだしのゲン」とか「美味しいぼ」とかそんなのを推奨するんじゃないの?

また、平成20年のときの新聞記事にこんなのがあった。「麻生太郎元外相が発案した外務省の「アニメ文化大使」に「ドラえもん」が起用され、高村正彦外相から就任要請書が手渡された。」
「ドラえもん」って……。無難過ぎ…。「クール・ジャパン」ってそういうことじゃないんじゃないの。
国、役人のやることって結局こういうことにしかならない。
それにやはり、役人の頭に「カネ儲け」という考えしかなければ、結果的に、このアニメ文化の衰退まで招きかねなそうだ。

そんな中「アニメ売り込め」に否定的な記事があった。
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/jikenbo_detail/?id=20100901-00003453-r25&vos=nr25ln0000001

「国がアニメを輸出」にネット住民「マジやめろ」
8月28日、朝日新聞のニュースサイト『asahi.com』が報じたところによると、文部科学、経済産業、外務の各省が、アニメや漫画、食など、日本文化の海外発信に力を入れるため、来年度予算で27億円の予算獲得を目指していることが明らかになった。
これは、今年6月、「日本の戦略産業分野である文化産業(=クリエイティブ産業:デザイン、アニメ、ファッション、映画など)の海外進出促進、国内外への発信や人材育成等の推進」(経済産業省のHPより)を目的として経済産業省内に設置された「クール・ジャパン室」を中心に行われる事業。『asahi.com』によれば、
「衣服や家電、 アニメ、日本各地の特産品などをどう売り込むかという戦略をつくる」(経産省)
「海外の芸術家に滞在制作をしてもらう事業(アーティスト・イン・レジデンス)をしている自治体などへ助成」(文科省)
「海外にある大使館などで、日本食の料理教室や日本酒の試飲会」
「日本のファッションについてのセミナーや展示会を催したりする」(ともに外務省)
などが計画されているという。
このニュースが報じられると、ネット住民がとりわけ食い付いたのは、「アニメ」という項目。2ちゃんねるでは、この事業に対し、「もっとお金をかけるべきだし遅すぎるぐらい」
「外貨獲得できるなら何でもいいよ」「文化を輸出することはその国に好意的な感情を抱くかという根本的なことにも直結する」と、評価する声も出ているものの、大多数のネット住民の意見は「こんなことしか誇ることのない国………………」「マジでやめろ 日本の恥」「日陰者が日向にでるとろくなことがない」「そんなものに頼らなきゃならんほど落ちぶれてんのか終わってんなそんな国」
と、否定的。ネットにはアニメや漫画好きの人が非常に多いため、「やっと時代が俺たちに追いついた」的な喜びの声が多いのかと思いきや、不満気な意見が圧倒的多数を占める意外な結果となった。

この否定派の後ろ向き意見には賛成できない。
私は肯定派の「文化を輸出することはその国に好意的な感情を抱くかという根本的なことにも直結する」という意見に大賛成なのである。(これが「アニメ・マンガ文化防衛論」である)
だがそこに「過大なカネ儲け主義を持ちこむな」ということでなのである。

そして、外国に売り込む前にすることがあるのではないかと思わせるような記事があった。

「昔ばなし」のアニメ会社破産 少子化で需要低迷
 「まんが日本昔ばなし」などを手がけたアニメ制作会社「グループ・タック」(東京)が東京地裁から破産手続き開 始の決定を受けたことが3日、明らかになった。少子化によるテレビアニメの需要低迷などが影響し、スポンサーの撤退が相次ぎ、業績が悪化していた。負債総 額は約6億円とみられる。
 同社は1968年設立で、人気青春アニメ「タッチ」など有名作品の制作にかかわった。最近では2005年に公開された劇場用長編アニメ「あらしのよるに」が日本アカデミー賞の優秀アニメーション作品賞を受賞するなど高い評価を受けていた。
 しかし、経営トップが今年7月に死去したことで社内態勢も混乱。自主再建を断念し、8月31日に東京地裁に準自己破産を申請していた。2010/09/03 【共同通信】

まずは国内のアニメ制作現場を充実させる事が最重要なのではないか。聞けば、アニメ制作会社はどこも厳しいという。「売り込め!」たって、何よりも優良な作品が作られなけれる環境作りが必要だろう。
それに新聞記事のように、アニメ制作会社の倒産の理由が「少子化で需要低迷」にあるとすれば、日本ではなお一層少子化が進むわけだから、この産業は衰退となるわけだ。
つまり、日本国内の需要が減るのであれば、「アニメ産業」は必然的に、外国へ活路を見出さなければならない。

どのみち、アニメは海外に売り込むことになるのか。

さて、ではアニメの何を売り込むのか?

「カネ儲けの道具として」か「日本文化の一つとして」か……。
……。

ということでしばらくこれを続けていきたいと思います。
次回に続く。

追記
画像がないと何となく寂しいので、雑誌「DIME」の8月24日号を。
「DIME」 表紙が「けいおん!!」
表紙は「けいおん!!」だった。
普段はアニメとはあまり関係のない大人の雑誌にもこういう特集をするという現象が出てきた。
「アニメ絶対主義 ヒットの秘密を総力取材」とあり、ビジネスとしてのアニメ特集が載っていました。
そして、付録の「けいおん クリアファイル」は娘が使っています。
そういえば、「けいおん」の原作もいつの間にか娘の本棚に。関連記事
日本は、親子でアニメやマンガの話が出来るいい国だということでしょうか。
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