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アニメは日本文化を救えるか 第3回 ソフト・パワーの時代。中国がパンダなら、日本はアニメだ!

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アニメは日本文化を救えるか
第3回 ソフト・パワーの時代。中国がパンダなら、日本はアニメだ!


アニメの話なのに、中国のパンダの話から入る。
マイケル・ユー「パンダは日本に必要ですか? 中国ソフトパワー戦略の脅威」(PHP)という本がある。アメリカ在住の韓国人が日本語で「中国のパンダ外交とソフト・パワー」について書いた本である。
パンダは日本に必要ですか?
中国がパンダをフルに外交に使って、自国のイメージアップを図っているのかがよく分かった。(「希少価値を高めるためにパンダの数を調整している」とか「パンダの原産地はチベットだ」とか「7世紀に中国から日本へパンダを贈ったという史実を勝手に作って、日本はかつては中国・唐と柵封関係にあったということにしようとしている」とか……興味深い話がかなり書いてあった。)
これは良書です。
そこで、この本の中から、中国のソフト・パワー戦略が書かれていたので、抜き出してみた。

……問題なのは、この愛くるしいパンダが、中国という国と深く結びついている点である。
パンダを好きになれば好きになるほど、共産党独裁国家である中国がもつ矛盾と悲劇から目を背けたくなる。パンダはパンダ、中国は中国と、二つを分けて理解できる人がいないことはないが、いまだ多くの欧米人は中国の現実を知らず、この二つを分けて考えることは困難だ。まして子どもであれば、なおさらである。欧米人はパンダを見ると、中国ファンタジーに陥ってしまうのである。
中国は現在、人権問題、環境問題、言論統制、最近では食品問題と、連日のように世界中に衝撃を与えている。多くの国の常識とは異なる価値観で生きている国なのである。このなかでパンダは、中国の分身として、中国の恥部を隠す仮面という役割を担っているといえよう。
国際政治の視点で見ると、パンダは中国のイメージを向上させるための、中国だけがもつ「ソフト・パワー」のシンボルである。
「ソフトパワー」とは、ハーバード大学のジョゼフ・ナイが主張した概念である。「軍事力や経済力などの外的な強制力」という古典的パワーを「ハード・パワー」と呼び、それに相反して「その国の有する文化や政治的価値観、政策の魅力への支持や理解、共感を得ることによって国際社会から信頼や発言力を獲得し得る力」が「ソフト・パワー」である。
ジョゼフ・ナイのソフト・パワー論によると、真のスーパーパワー(超大国)になるには、軍事力、経済力などのハード・パワーを持つだけでは不十分である。マクドナルドやコカコーラ、スターバックスにMTVやニューヨーク・ヤンキース、インターネットにCNN、ミッキーマウスとハリウッドなど、多様なジャンルの文化コンテンツ、すなわちソフト・パワーを有してこそ、アメリカという国家とアメリカ人は世界の一流となることができる。イラク戦争であきらかになった軍事力の限界、不動産バブルからはじまったウォール街の大混乱など、既存のハード・パワーだけでは真のスーパー・パワーになれない、というのである。
このソフト・パワー論をもっとも模範的に受け入れている国が中国である中国は独自のソフト・パワーを有効に使うことで、アメリカに対抗できると考えているのだ。そうして、中国製製品がもつ否定的なイメージを払拭するために、または民主主義体制の台湾と競争する過程においても、ソフト・パワーを積極的に活用している。
中国のソフト・パワーは、多様な分野に及んでいる。本書をお読みしていただければ分かるとおり、中国に関連するものは何でも利用している。従来は中央政府のみが主導していた海外でのソフト・パワー・イベントも、いまでは地方政府や民間団体が行うまでに拡大し、その結果、ヨーロッパやアメリカでは、大都市だけでなく、中小都市でも、それらイベントが見られるようになっている。
20世紀末から本格的に始まった中国のソフト・パワーは、わずか10年で、アメリカのソフト・パワーを追撃するレベルまで達している。そして、国際政治の行方を左右するあらゆる問題に直結している。アフリカで展開する資源外交、東南アジアを対象とした辺境外交、日本で胡錦濤国家主席が約束したパンダ寄贈外交、2008年オリンピックと2010年上海万国博覧会など、数えるときりがない。
中国は、1979年からの中越戦争を教訓とし、以後、他国と大きな武力衝突をしていない。軍事というハード・パワーにかえて、ソフト・パワーを全面に出しながら、世界中に中国の文化と価値観を広めているのだ。まさに文化戦争である。その結果、多くの国が中国の友人となり、少なくとも敵になることを避けている。欧米学界や欧米メディアが、中国を正確に理解するためには中国のソフト・パワーを注視する必要があると考えるようになったのも、当然の結果といえよう。
……中略……
チベット人虐殺と四川大地震という大参事を全世界が非難と憂慮で見守るなか、なぜパンダについてのニュースが頻繁に流れるようになったのか。アフリカの独裁国や中国周辺の発展途上国では、なぜ中国発ソフト・パワーが効果をあげているのか。国家間の友好増進が目的であるパンダに、なぜ1億、2億円という高額なレンタル費が支払われるのか。そしてその金はどこに泣かれて行くのか――こういう疑問は、堰を切ったように出てくる。
アメリカが中国のソフト・パワー戦略の最重要国であり、最先端の地であるからだ。アメリカで展開される中国ソフト・パワーの実状と現況は、今後、アメリカ以外の国に広がっていくであろう。

中国という国がいかにしたたかに「パンダ」をソフトパワー戦略に使っているかがよく分かります。
そのパンダだが、最近こんな記事を見た。

中国のパンダ死亡記事 2010/09/13
中国報道「パンダ死亡で賠償4200万円」=神戸・王子動物園
 神戸市立王子動物園で9日、14歳の雄のパンダ「コウコウ(中国名は龍龍=ロンロン)」が死亡した件で、日本側は賠償金50万ドル(約4200万円)を支払う取り決めだ。東方網が報じた。
 中国野生動物保護協議会によると、日中双方の取り決めにより、貸し出したパンダが死亡した場合の賠償は50万ドルと決められている。(後略)

ああ、賠償金まで払うって、何なのだろうか。それに、日本政府から中国へパンダ助成金が何億円も出ているという話も聞いたことがあるが、これも元をたとれば税金だろう。事業仕分けで「文化・科学」の予算を切るくらいなら、こういうところから国費を節約しろよ、と思う。
ほんと、パンダは日本にいらない、そう思いませんか。

とパンダの話はこれくらいにして、もとの話に。
中国のソフト・パワー戦略の先兵役が「パンダ」だとすれば、その中国文化をさらに広く深く世界に広めようとした政策が「中国語学校」だ。
上記の同本からその部分を引用。

中国語の世界化のためにつくられた孔子学院、中華思想輸出の尖兵である孔子学院
……中国ソフト・パワーの結晶体といえる中国語を輸出する前線、すなわち孔子学院の理念的背景として、春秋時代の孔子が復活したからだ。
孔子学院は、現在中国政府が主導するソフト・パワーの中心的存在である。言語は、文化と文明を語る最高の影響力を持つ。孔子学院は中国語を世界へ普及させる機関であり、中国人、中国史、中国文化を縦横につなげる中国そのものを輸出している。
中国経済が世界から注目されるのに比例して、中国語に対する需要も増加している。孔子学院は、中国語の需要に対応するためにつくられた21世紀型中国の最大のソフト・パワーである。龍やギョーザ、万里の長城といった娯楽を超えて、頭脳に訴えるソフト・パワーとしての中国語の学校が、ついに誕生したわけだ。


悔しいことではあるが、日本よりも数段、中国の方が「ソフト・パワー」の力を十分に認識しているようだ。また中国のソフトパワーを更に広めるものが、中国文化の核となる「中国語」だということもしっかり分かっている。
文化を広めるには、まずその国の言語だ。
それが将来、その国・民族の存亡にかかわることなのだ。
だから、日本で「英語公用化問題」のとき、「経済原理主義に従えば、英語にするのが一番だ」という論理が幅を利かせ、「母国語を大切にしよう」「文化を守るのは言語から」といった基本的な話があまり出てこないのが、残念なのである。
前回記事。
その点、非常に残念であるが、中国の方が賢いと言わざるを得ない。(そのうち日本は文化面から中国に呑みこまれてしまうだろう。)

さて、では、そう考えたとき、日本のソフト・パワーで一番強いのは何であろうか。
それがアニメである。
そして事実、日本文化を海外に伝え、日本語を広めて、外国人の日本ファンを増やすということに多大な貢献をしている。
それは前2回で見てきたことである。

では、ほんの一例を出してみよう。
画像はアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」から、主人公ら3人が「浴衣」を着ているという場面を、ユーチューブから抜いてみた。
涼宮ハルヒ 浴衣
この動画では英語の字幕が付いていて、この動画は世界中の人々が見ているのだ。
これの何が大事かというと、英語字幕では、浴衣は「yukata」と表示され、彼女らは夏祭り「o-bon festival」に行き、金魚すくい「goldfish caching」をし、花火大会「a fire festival」を見ると、英語で表示されている。
つまり日本文化が英訳で説明されているのだ。
そして、画面には「たこ焼き」や「(お祭りで売っている)お面」や「屋台」、「太鼓や笛の祭り囃子」など日本文化を伝えるものがここに詰まっている。
そして、このアニメを見たフランス人や南米人や東南アジアの人々など世界各地の人々が、日本文化を憧れの目で見ている、ということだ。
これは実にスゴイことなのだ。
どんなにエライ学者でも高慢な政府役人でもコロコロ変わる大臣でも「日本文化を伝える」という意味において(文化=国家・民族)全く役に立っていない。
アニメの方がはるかにこれに貢献しているということなのだ。

日本のイメージアップという点において、アニメは中国のパンダに匹敵する役割を果たしているということだろう。

まさにこれが私が自説とする「アニメ・マンガで文化防衛論」ということだ。

ということで、この説明は次回以降にも続く。「アニメは日本文化を救えるか」シリーズはまだまだ続く。

追記
これを書いているときこんな記事が……。

[中国人船長釈放]「日本このまま沈む」石原都知事
中国人船長の釈放決定について東京都の石原慎太郎知事は24日、定例会見で「政府は非常に間違った判断をした。(釈放の)論拠はわが国の利益だろうが、利益とは金目の問題。それ以上に国家として、民族にとって大事なものがある」と述べ、「日本はこのまま沈む」と嘆いてみせた。
 中国政府の対応については「居丈高でやくざのやり方。暴力団の縄張りの拡張と同じだ」と改めて厳しく批判した。
 一方、都は中国野生動物保護協会からパンダのつがいを借り受け、来春に上野動物園(台東区)で公開する準備を進めている。影響を問われた石原知事は「パンダもらって尖閣を渡すのか。そんなもの考えたら分かることだろう」とだけ述べ、会見を切り上げた。借り受け計画を白紙に戻すともとれるこの発言について都幹部は「パンダと今回の問題を一緒にするなという意味だと思う。都としては計画をこれまで通り進めていきたい」と語った。【石川隆宣】平成22年09月24日 毎日新聞http://news.livedoor.com/article/detail/5030206/から 

パンダが中国にとって重要なソフトパワー戦略の先兵になるものと考えれば、日本にこんなものはいらないだろう。平和ボケした日本人の大半は少しこういう意識が欠落しすぎている。
今回の「沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件」や「中国紙による「沖縄は日本が不法占領」との論文掲載」などの記事を見るにつけ、愕然とする。こうやって中国はジワジワと日本を蚕食していく気なのだろう。
過去記事 日本人はそのうち結婚相手も職も土地も水も金もすべて中国人に奪われるだろう。の記事
今回の事件が、金欲ボケして中国経済にすり寄り、国家的危機のなくした日本人の目を覚ますいい機会になればと思う。
そうでなければ、近い将来、日本は強力な同化力をもつ中華思想文化に呑みこまれてしまうであろう。そう危惧するのは私だけではないはず。

守るべきは日本文化。

私は私の出来ることをしよう、改めてそう決意しました。
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