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物語を物語る

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日本の漢字は「クロスカップリング」

物語を物語る

【韓国】民法、「ハングル化」へ 日本式の漢字語できるだけ削除し、来年3月めどに国会に提出 という記事を読んだ。
韓国が漢字を排除してハングル文字化しているというのは今に始まったことでない。ただそれによって韓国の思考能力がかなり低下しているという話はよく聞くところだ。
そして、韓国からノーベル賞受賞者が出ないのはその所為だということもよく言われる。(ただし怪しい平和賞だけ一人いるが…)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1339650548
この件で検索すると結構出てくる。韓国でノーベル賞受賞が出ない理由として「言語」「漢字排除」を挙げるものは多い。

なぜ韓国から学術分野のノーベル賞が出ないの?
日本の新聞はまだ一日に二度、朝刊と夕刊を発行する。朝刊40ページのうち、5ページの下段は冊広告だ。冊広告は1面から始まって5面まで配置される場合が多い。最も高い1面広告は本、それも堅い専門書籍の広告で埋めるのがほとんどすべての日本の新聞の長い伝統だ。
読者が朝、新聞を開いて初めに目にするのが広告だ。真剣な気持ちで一日を始めることになる。
世界で世論形成に新聞が最も大きな影響を及ぼす国は日本だけであろう。
最近の世論調査を見れば日本人の漢字の実力(漢字力)が強くなっているという。日本の小学生の漢字力は韓国の大学生よりはるかに優れている。韓国の学生たちは慶州遺跡の説明をまともに読めないが、修学旅行に来た日本の小学生は漢字が混ざった説明文を読んであらましを察する。
1945年、日本を占領統治し始めたマッカーサー司令部は一時、日本人たちの軍事的伝統を抹殺するため、学校から剣道など武道教育を禁止させた。漢字を廃してアルファベットを書くようにしようとする政策を検討してあきらめたこともある。
東アジアで漢字廃止運動は改革家と共産主義者などが最初に始めたが、韓国の場合は保守的な人々までこれに便乗、韓国語を半身不随にしてしまった。母国語を守れない保守は体制を守ることができない。 日本のメディア出版人は日本語を美しく育てるよう努力している。韓国のメディア出版人はハングル専用で母国語を毀損し汚し、(漢字)文盲率を高める先頭に立った。高級読書が不可能になった国からエリートが出るわけがない。韓国のメディア、出版人は結局自分たちの墓穴を掘ったわけだ。韓国と日本の水準差は母国語を大事にする報道人と母国語を亡ぼす報道人の差でもある。 国語は祖国だ。
<ニューデイリー(韓国語)2010/09/20 趙甲済(チョ・カプジェ)/チョ・カプジェドットコム代表>

まさにこの通り。 「国語は祖国だ」というのは藤原正彦の言葉そのもの。やはり自国語は大事ですね。
そして、小駒勝美「漢字は日本語である」(新潮新書)から。

親の名前を漢字で書けない韓国人
日本語の中に字音語が占める割合は、50~60パーセントと言われる。半分強、といったところだ。そしてそれよりも字音語を多く使っているのは韓国で、韓国語に占める割合は60~70パーセントである。
ところが、韓国では、漢字を訓読しなかったために、自国語と字音語を密接に関連させることができず、漢字は日常生活ではほとんど使われなくなってしまった。
日本語でいえば、すべて平仮名で書いているようなものである。
漢字を正しく書けない人は非常に多いそうで、これを憂慮する向きも多い。
韓国の新聞『朝鮮日報』が1999年2月11日付の紙面で報じたところによると、ある高校で3年生のひとクラス50人に両親の姓名を漢字で書いてもらったら、60パーセントにあたる30人が正しく書けなかった。また、新入社員教育に漢字能力評価試験を含めている某国営企業では、新入社員たちの平均点百点満点で40点程度に過ぎなかった。
<「漢字文盲」このままではだめだ>というタイトルと、<ハングル世代社会的意思疎通に支障>という小見出しを付けたこの記事は、「ハングル専用教育」を受けた世代が、社会生活の序盤から、漢字のために困難にぶつかる状況を憂慮している。
韓国では、1970年に朴正煕政権が普通教育での漢字教育を全廃した。中国の遺産であり、日本植民地時代の遺産でもある漢字を追放し、ナショナリズムを高揚させる狙いである。
したがって、40代を境目にして、それ以降の世代は漢字を使いこなすことができない。1998年に金大中大統領が「漢字復活宣言」を発表し、鉄道駅の漢字併記などを行う一方、学校でも少しは漢字を教えるようになった。しかし、それは日本における漢文の授業のようなもので、日常生活に直結するものではなくなっている。
いま韓国の街にはほとんど漢字は見られない。たまに漢字を見つけると、それは中国人や日本人の観光客目当ての看板である。

ということで、いま韓国は漢字学習に力を入れ始めているようだ。
平成22年11月11日 読売新聞 くらし・教育面「世界から 韓国」から。

漢字学べる漫画ヒット
日常生活では漢字をほとんど使わず、主に民族固有のハングルにより表記を行う韓国で、楽しく漢字を学べる小学生向け学習漫画「魔法千字文」が長いヒットを続けている。
主人公の孫悟空が冒険の途中、漢字の魔法を武器に悪者に立ち向かうストーリーだ。
敵が巨大なため自分を大きくしたい時は「大」、敵の攻撃をよける際は「避」などと叫ぶ。登場する漢字の意味を解説するページや、書き取り用のマスも用意されている。2003年の発売以来、18巻約1200万部が売れている。
日本と同じ漢字文化圏の韓国では、朴正煕(パクチョンヒ)大統領時代の1960年半ば以降、学校での漢字教育が制限されてきた。現在、小学校では教科書がすべてハングルで表記され、必修漢字もない。中学校、高校でも選択科目の漢文で教えるのみだ。
とはいえ、漢字語は韓国語の7割を占めており、漢字を知らなければ言葉の意味を正しく理解し、語彙力を高めるのは難しい。こうしたことから、版元の出版社「ブック21」の金永坤社長は、「漢字を習わなかった『ハングル世代』に懸念が広がり、『子どもに漢字を学ばせたい』という需要を生んだのでは」と分析する。
近年、漢字の本家、中国との結び付きが強まっていることや、「漢字ができる子は学業成績も良い」とのデータが発表されたことも、漢字学習熱を下支えしているようだ。
今夏、映画化され、来年5月からはテレビアニメとして放送されることも決まった。魔法の漢字は、画面に大きく表示される。<後略>(ソウル 仲川高志)

「漢字」能力を高めることが学習能力を高めることにつながる、ここに気づいたようだ。だが韓国国内はいまだ両論に分かれて対立しているらしい。

で、上記スレにはいいコメがかなりあって、なるほどと思ったのが以下のコメ。

漢字はそもそも普遍性が高いことからアジア周辺国で広く利用されたこともありますし、造語性が高いことや学術用語には向いている特性があります。
日本が一歩誤れば欧米の植民地化されそうだった19世紀になんとか政治改革を行い一斉近代化をおこなって明治維新をやり遂げたのは、漢字や漢語をうまく活用し西洋技術や思想をうまく吸収したことと、西洋文化の漢籍表現によって国内の幕藩体制維持派を説得できたこともありますね。

日本人のノーベル賞受賞者が多い理由に、自国の言語と漢字を上手く組み合わせて使っていることが(学術的)思考能力向上に影響しているためだ、ということを挙げる人はかなり多い。

では、漢字を使うからノーベル賞受賞者が多いというのなら、日本よりも漢字の本場・中国の方が多いはずだ、という反論の声もあるでしょう。
で、ここで再び、小駒勝美「漢字は日本語である」から引用。

漢字は日本固有の文化
……このような漢字人気は、もはやブームというより、面白くて奥深い漢字の魅力を改めて評価しようという気運が定着した、と見ていいのだろうと思う。
日本固有の豊かな文化である漢字を楽しもう、という意識が定着してきたのである。
そんなことを言うと、
「漢字が日本固有の文化だって? 漢字は中国で生まれたものではないか」という反論が聞こえてきそうだ。
たしかに漢字のルーツは中国である。今から三千五百年も昔の紀元前一五〇〇年頃、殷の時代に使われた甲骨文字が発掘されている。この甲骨文字は見た目にも素朴なものだが、詳しく調べていくとすでに高度に進化していることがわかった。そのことから、漢字はさらに古い時代があったのではないかといわれている。これが日本へ伝わったのは今から二千年ほど前、実際に日本人の手で使われるようになってからも千五百年ほどの年月が経っている。
しかし、現在、日本で使われている漢字は、長い歳月を経て、さまざまな日本式改良を施された、わが国独自のものである。中国にない訓読を駆使し、送り仮名という画期的な発明を加え、見事に日本語のなかに組み入れたのは、まぎれもなく日本の英知なのである。さらに、日本は和製熟語を作り出して漢字の利用範囲を大きく広げた。
一方、本家本元の中国で、漢字の字体を大幅に簡素化した「簡体字」が使われるのはご存じの通りである。学校で簡体字を教え、出版物でもほとんど簡体字を使って、伝統的な字体である「繁体字」は影が薄い。中国では、簡体字は繁体字からさらに進化した漢字である、と考えているようだがはたしてそうだろうか。
中国へ逆輸入された日本製の熟語も数知れない。正式国名である「中華人民共和国」の「人民」も「共和」も古典の中にあった言葉に日本人が新しい意味を与えた言葉なのだ。
これではもはや、生まれこそ中国でも、漢字は中国のものなどとはとても言えまい。
現在の日本の漢字は、アレンジとソフィスケィート(洗練)が得意な日本で豊かに育まれた、世界に誇れる日本の文化なのである。

日本人は、漢字をそのまま使ったのではなく、加工し応用し使い易いようにした。この独自のアレンジは、漢字に限らず「日本文化」の大きな特長といえる。文化は何でもその「分岐点」にある。詳しくは過去記事で。
また黒川伊保子「日本語はなぜ美しいのか」(集英社新書)から引用。

日本人の識字率はなぜ高いのか
音韻と文字の関係も、各国でさまざまだ。
日本語は、音声認識の一単位にカナ一文字を与えている。したがって、意味が分からなくても、聴き取れれば、書き取れる。中国語は、音声認識の一単位であるピンインに、複数の漢字がリンクしている。したがって、聴き取れても、意味を理解した上で漢字を駆使しないと書き取れない。つまり、日本人は数十のカナを覚えればなんとかなるが、中国人は四〇〇を越えるピンインに何千という漢字がぶら下がっていて、その体系を知らなければ、認字できないのである。
アルファベット文化の人たちは、音韻単位と表記単位が一致していないので、聴いたように記載しても文字記号にならない。また、文字を見たように発音しても、それが正しい発音だとは限らない。中国語と同じく、ある一定数の単語(文字列)を知らなければ、認字できないのである。
日本人の認字率が高いのは、幼い頃に、まず音韻と一致したカナ文字によって、気軽に文字に親しめるからだといわれている。やがて、発達段階に合わせてゆっくりと漢字を増やしていく。この方式だと、ほとんど落ちこぼれを作らない。

日本語は、漢字のみならず、ひらがな、カタカナ、外来語などを組み合わせによって成り立っている。もうすでに中国の漢字とは全く違う文化として発達しているのだ。そして、この複雑な言語の組み合わせ(カップリング)が、思考能力を高めることにつながっているといえるのだ。

ではここで、ノーベル賞化学賞を受賞した根岸英一さんと鈴木章さんの研究業績を見てみましょう。
平成22年12月11日 読売新聞から引用。

カップリングは「お家芸」
根岸さん、鈴木さんがノーベル賞を受賞した業績は、2種類の有機化合物を狙った部位でくっつけるクロスカップリング。高血圧の治療薬、抗生物質などの医療品のほか、液晶などの工業生産に大きな恩恵をもたらした。この反応で重要なのは、結合する部位につける目印物質と触媒に何を用いるかだ。クロスカップリングの発展は触媒と目印物質の検索の歴史であり、多くの日本人が支えてきた。
触媒は、自分自身は変化せずに、反応を促進させる物質。中央大学の檜山爲次郎教授は「お見合いの仲人のようなもの。カップルになる二つの物質とそれぞれ反応した後で、最終的に両者を結びつける」と説明する。触媒には、鉄や銅、ニッケル、プラチナなどの金属を使う。金属原子の中を飛び回る電子の動きが複雑で、反応が安定しないという性質が触媒に向いているからだ。
日本人が触媒を工夫し、クロスカップリングの礎を築いたのは、1960年代にさかのぼる。
〈中略 辻二郎のパラジウム触媒、溝呂木・ヘック反応、熊田・玉尾カップリング、薗頭・萩原カップリング、小杉・右田カップリングなどに続き…〉
88年に、ケイ素を使ったカップリングを開発した檜山教授は「日本が一流国の仲間入りをし、自信を持った時代、研究者も自分の好きな物質に惚れ込んで追求してきた」と、お家芸を支える層の厚さを指摘する。
この中で、2人にノーベル賞が贈られたのは、「亜鉛を使って、穏やかで扱いやすい反応を実現した」(根岸さん)、「(鈴木カップが)最も応用範囲が広がった」(鈴木さん)点にある。檜山教授は「異分野の研究者によるユニークな発想を取り込めば、クロスカップリング反応は、さらに多くの成果が期待できる」と話す。

お~、まさに、「クロスカップリング反応」とは日本の「漢字」のことじゃないですか。
日本の得意技は「組み合わせ」だ。
中国から輸入した「漢字」をそのまま使ったではなく、加工し応用し使い易いようにした。まさにクロスカップリングそのもの。言うなれば、日本文化の特性を生かした研究が「ノーベル賞受賞」を生んでいることになる。

ノーベル賞受賞者の数で国のレベルを計ることはできないかもしれない。
しかし、こういったところに、それまで培ってきた国・民族の特長は出てくるものなのである。
伝統・文化は一日では成らない。長い年月を経て形成されるものである。
これをあっさり捨て去ることは簡単だろう。
韓国が漢字を捨てたように、中国が文化大革命で自国の文化を破壊したように。
だが、それは失くしてしまったあとになって、大事なものだと気付くのだ。
でもそのときはもう遅い。

ノーベル賞化学賞や文学賞といったものは個人に与えられるものではあるが、やはりその受賞者が受けた教育・文化を色濃く受け継いでいることになると思う。
そして今回の受賞者は、まさに日本人の特性を生かしている。

こういうのを大事にしたい、と常々思う。

「日本の伝統・文化」を守りましょう。
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消えた二十二巻

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