スポンサーサイト

物語を物語る

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

男だねー、新田義貞。

物語を物語る

義貞の逸話。

箱根竹の下の戦いで敗れた義貞軍が京都へ退却したときのこと。
追撃のために攻めのぼってきた足利軍は、増水した天竜川に真新しい浮き橋が架かっているのを見た。
足利尊氏は、「まさかあの浮橋を架けさせたのは新田義貞ではないのか?」と近くにいた農民に訊くと、その通りだと答えた。
「信じられん追撃をすこしでも遅らせようと橋を落としておくのが常識なのに、義貞はなぜそのままにして行ったのだ」と訝った。
そこで、家臣が事情を聞き回った。義貞軍は近隣の材木をかき集め3日で橋を作ると、まず軍兵を先に渡らせて、義貞自身は最後に橋を渡った。そればかりでなく、兵が橋を切り落とそうとしたところを義貞は止めた。「たとえ切り落としても勢いを増している追撃軍であれば1日で橋をかけるだろう。追撃をかわすためのわずかな時間を稼ぐために義貞が橋を切り落とし、あわてふためいて逃げてと言われては末代までの恥になる」と言った。それにこれ以上農民に労力をかけさせたくないという配慮もあったという。
この話を聞いた足利尊氏は、義貞を「疑いなき名将」と称した。
この逸話は足利方寄りの「梅松論」に書かれたものである。
戦いの常套手段となれば、当然、橋は切り落とすことになるでしょう。少しでも時間稼ぎをしたいはずです。でも義貞は目先の勝負よりも、名を取った。これをもってして戦下手と称するのは簡単でしょう。しかし、そんなことは義貞には百も承知なはずです。だからこそ、橋を切り落とさなかった意味を尊氏は感じ取ったはずなのです。尊氏は、義貞の真意を器の大きさを知ったのです。そして、お互いが源氏の棟梁でなければ分らない苦悩や孤独を抱えて戦っていることを再認識したのではないか、それが義貞への賛辞につながっていると思います。

義貞と尊氏は本当にいいライバルなんですよ。

義貞愚将説がまかり通っている今、これを打破すべく書いたのが歴史ミステリー小説「東毛奇談」第2章です。

誠に勝手ながら、今週は義貞応援強化週間であり、小説「東毛奇談」PR週間となっております。

よって、義貞の話は次回も続きます。
スポンサーサイト

Comment

[30]
「橋を落とさず、退却の時間稼ぎをしなかったから愚将」というのは、よく言われることですし、このことを指して、「義貞は勝利よりも自分の面目にこだわる前時代的な人間」という言い方もよくなされていますが、実に皮相な味方で、あまりにも現代人の価値観と感覚だけで決めつけ過ぎていると思います。
この橋の逸話は、敵である足利方の武将にも相当な感動を与えたようで、『梅松論』は勿論、足利家の栄光を讃える書である『源威記』にまで引用されていますし、ある時代までは、かなり語り継がれていた逸話ではないでしょうか(確か「名将言行録」の毛利元就も、これにふれていたような記憶がありますが、ちょっとその辺は曖昧)。
何よりも、まずは部下たちを先に渡し、総大将である自分は最後に渡った、というのも、こんな勇気ある武将が他にいるか?って思いますよ。ライバル尊氏が、いつも大勢の取り巻きに守られて、危険な時にはいち早く逃げ延びていることを思うと、尚更凄いことです。
また、戦略的に見ても、「撤退こそしているが、新田軍の士気はまだまだ衰えていない」という強烈な意思表示にもなっているんじゃないでしょうか。戦況不利とみれば、あっというまに兵隊がいなくなってしまうのが南北朝時代の合戦ですから、この種の意思表示は、実はとても重要だと思うのですが。
げんに新田軍は、一目散に都まで逃げ帰ったわけではなく、後醍醐天皇からの召喚命令が来るまで、美濃かどこかで迎撃態勢を整えていましたよね。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

Trackback

«  | HOME |  »

カスタム検索




FC2ブログランキング


すみません…、只今コメ返しをしておりません。しかし、しっかりと読んでおります。こんなわがままなサイトですが、気が向いた方は、どうぞ書き込んでください。

FC2ブックマークに追加

10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

Wikipedia
developed by 遊ぶブログ
物語を物語る
 トップページ
  ├ 月別アーカイブ
  |  └ --年--月 --日 (--)
  ├ カテゴリー
  |  └ スポンサー広告
  └ スポンサーサイト
物語を物語る
 トップページ
  ├ 月別アーカイブ
  |  └ 2007年08月 15日 (水)
  ├ カテゴリー
  |  └ 新田義貞、新田一族の話
  └ 男だねー、新田義貞。
by AlphaWolfy

消えた二十二巻

Author:消えた二十二巻


全ての記事を表示する




このブログをリンクに追加する
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。