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物語を物語る

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自己の感情コントロール その1 アンパンマン考の続きから

物語を物語る

むかし書いた「アンパンマン考」の久々の続きで、これは資料編16回目になります。
直接的には、
アンパンマン考 2 フロイト心理学から。「アンパンマンの世界」は人間の心の中を表している。
アンパンマン考 3 ドキンちゃんはリビドー(本能的欲望)である。
の続きとなります。

まず「アンパンマン考」の要点を簡単にまとめてみましょう。
常に好奇心旺盛なドキンちゃんはリビドーであり、その欲望を満たそうとするバイキンマンはエスである。ただ悪意や欲望は際限がなく、これを表現したものがカビルンルンだ。確かに欲望や悪意はカビのように増殖していく。この欲望の暴走を食い止める自制心がアンパンマンだということ。
ただ、このアンパンマンは最強というわけではない。物語「アンパンマン」を見れば分かるが、必ず一回は負ける。そして自制心は何度も作り直され、欲望に打ち勝つのだ。負けるというのが心の鍛錬ということになる。欲望を遠ざける自制心を育てるには、努力が必要なのだ。これはジャムおじさんが丹念にアンパンマンの顔を作る場面でもわかる。欲望は常に沸き起こり、必要以上に欲望を満たそうとし、時には悪意をともなって暴走を始め、心の中を欲望でみたそうとする。(これには快楽原則があるので、心は欲望の暴走に引きずられていく。)これに打ち勝つのが「アンパンマン」である。欲望は次々と新しく起り、新たな要因が続々と入ってくるので、その度に「自制心」を作り出さなければならない。よって「アンパンマン」の顔を前もって作り置きすることはできないのだ。必要以上の欲望を満たそうとするバイキンマンの暴走があって、それに打ち勝つことのできないアンパンマンがあって、初めてそこであたらしい顔(自制心)が必要となるわけだ。
それが繰り返し行われる。心の中では、生きている限り、欲望と自制心の戦いは行われているので限りがない。だからこそ物語「アンパンマン」はワンパターンといわれるものがずっと続くのだ。
 「欲望の抑制」「攻撃性の抑止力」「悪意の増殖を抑えること」など心のコントロールがアンパンマンの役目となる。

では、なぜ、欲望であるドキンちゃんはバイキンマンとともに行動するのか。過去記事にもあるように、欲望と攻撃性は脳の中で結びついているからだろう。

キーワードでわかる最新・心理学 成田毅・編(洋泉社新書)から。
動物としての攻撃性と文化的抑止力
哺乳動物は脳の深いところで性欲と攻撃欲、食欲の中枢が接近しているため、これらの興奮は互いに他の中枢と関連し、性欲動は攻撃欲動と結合しやすい。このことは動物としてのヒトが本来持っているものであり、とくにオスの場合には性行動は攻撃性が高い。他のオスを縄張りから排除し、メスの抵抗を殺いだうえで性行為が営まれるからだ。
ただし人間の場合、子供が社会の中で育っていくにつれて、大脳皮質に“文化” がインプリントされてゆくことで抑止力が機能し、ヒトは次第に残酷なことができにくい生き物に成長してゆく。ヒトは、狩猟段階にあったときに濃厚に宿していた攻撃性を、農耕や牧畜を始めることによって、共同体のモラルのなかで次第にブレーキが効くものへと昇華させていった。
しかし、本能や衝動をコントロールすることができあがっている“人間”が、壊れてしまうことがある。こうして快楽殺人は起こされる。原因は、脳の障害や精神病、そして乳幼児期体験などだ。
欠陥のある社会的環境で育った子どもは、愛を得られずに途方に暮れるようになり、情性(他者を思いやり、その苦痛に共感できる力)を育むことができない。愛のない家庭はしばしば精神的肉体的な虐待を子どもに与え、こころに傷をつける。そんな悲惨な記憶は、子どもに、性的暴力や破壊を空想する心理的人格的な特徴を発達させてしまいやすい。そういった空想は、次第に現実の世界での破壊的な行為へと結びついていきかねない。

好奇心や欲望(ドキンちゃん)は、攻撃性(バイキンマン)を伴う。、そして、その抑止力としてアンパンマンがいる。物語「アンパンマン」は、心の中で行われる心の葛藤を描いている。
この二つは対立しているようで、どちらも人間の活動には不可欠なもの。要はこれらのバランスが必要なのだ。(情動のコントロール、自律性が重要となる)

ただ欲望は暴走する。悪意の攻撃性も歯止めがなければ止まることなく、限りはない。
人は常に心の中でこの戦いを繰り広げている。欲望を、悪意を、抑えながら生きている。各々がそうして生きていかなければ世の中の社会秩序は保たれないのだ。
人と獣を分けるものはここにあると思う。
誰だって必要以上の欲望は心の中で沸き起こる。誰しもが自らの攻撃性や残虐性が心の中に潜んでいる。これに気づき、これを抑制する感情のコントロールが必要となるなのだ。
美味そうなものがあればその場で食いたいと思うだろうし、いい女を見れば抱きついてみたい、気に入らない奴がいれば殴りたいと思うこともあるだろう、そんな衝動は常に心の中で沸き起こる。だが普通は、そんな情動を抑えているのだ。

だが昨今の事件を見るにつけ、抑止力よりも欲望を満たそうとする力の方が強くなっているように感じる。しかもそのハードルがどんどん低くなっているようだ。自制心も弱まっているし、またこれらの感情をコントロールする力が衰弱しているようだ。
時に、最初は軽いはずだった悪意も、いつしかカビのように増殖し、心の中を埋め尽くし、取ろうとしても取れないほど強固にへばりつく(執念やこだわり)、その果てには、欲望にその身を任せ凶行を犯してしまうことにもなっていく。
それがいつしか、目に見えるものすべてが疎ましくなり、見るものすべてを壊してしまいたくなっていくのかもしれない。そんな事件が増えた。気に食わなければ刃物を持って無差別に人を殺し、わが子に虐待を加え、幼い少女を誘拐して殺す、同級生をいじめ抜いて自殺にまで追い込む……。
動物には本来、生存のための攻撃本能が備わっているはずだが、人間には攻撃性を抑制する力も備わっているはずだ。
それが保たれなければ「人間社会」は成り立たない。
そのために各々の心に必要なのは、欲望を抑制する力、つまり「アンパンマン力」だということになる。

……続く。
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消えた二十二巻

Author:消えた二十二巻


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