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新田義貞及び新田一族の関連本の紹介

新田義貞及び新田一族の関連本の紹介。
(このページは随時書き加えていきます。)

1 新田義貞を主人公とした小説
新田次郎著「新田義貞」 (新潮社)
小説「新田義貞」上小説「新田義貞」下

新田義貞の生涯を描いた小説の決定版。あとがき解説には「彼のことを調べていくうちに、義貞が決して凡将ではなく、むしろかなりの智将でありながら、非情な政治に翻弄されるその姿に、同情を禁じ得なくなったようだ。西洋風に言えば騎士(ナイト)とも言える、彼の人間性に惚れ込んで書いた。」とある。
またこの本の特徴としては、各章の間に作者の解説(取材ノート)が入っていて、これもかなり面白く、豆知識が得られる。作者のペンネームの由来や生品神社での観測体験なども記載されていて、「新田次郎」自身についての貴重な逸話も書かれている。

永峰清成著「新田義貞」(人物往来社)
永峰「新田義貞」
各図書館でも結構見かける本。作者はほかに南北朝関連で「楠木正成」や、「護良親王」の本も多数あるので、南北朝には強いようだ。ほかに「上杉謙信」等も書かれている。

野村敏雄著「新田義貞」 (双葉社)
野村「新田義貞」
この本は珍しい。見かけたのは「境町図書館」のみ。表紙が劇画タッチ!
作者は第34回直木賞候補になっています。http://homepage1.nifty.com/naokiaward/kogun/kogun34NT.htm

豊浜紀代子著「異色太平記」(三一書房)
豊浜紀代子
副題に「新田義貞は生きていた」とついています。戦乱から逃げ延びた義貞は、勾当内侍の愛に生きる、といったぶっ飛んだ内容。いわゆる珍本です。

白崎昭一郎著「義貞」 (日刊福井)
白崎版「義貞」
著者は福井県在住の方。北国落ちから義貞の最期までを描く、珍しい本。序文に作家・吉村昭の解説が載っている。

植木静山著「わが旗を、鎌倉に立てよ 新田義貞の生涯」 (朝日新聞社)
植木版「義貞」
神奈川県在住の郷土史家の作。2007年の出版で新しい。あとがきに、著者が生品神社を訪れた際の記事の中で、「斎藤佑樹」のことを書いている。

清水惣七著「足利尊氏と新田義貞」 (人物往来社)
清水版「義貞」

足利在住の方の本。奥付を見ると、増刷されている。図書館ではよく見かける本。またよく太平記関連の本で参考資料として使われている。

マンガ「新田義貞」 (上毛新聞社)
まんが「義貞」
マンガだが、侮れない。監修に「人物叢書・新田義貞」を書いた峰岸純夫が担当している。

浅田晃彦著「戦国茶道記 天下一の茶入「新田肩衝」の流転」 (人物往来社)
浅田晃彦「戦国茶道記」
徳川水戸家が所有している名品「新田肩衝」が、もとは新田義貞が所有していたものだったという設定のもとに書かれた小説です。新田義貞、勾当内侍も登場します。
また、新田肩衝が、義貞愛用の品であったという話は、茶道研究の第一人者だった歴史家・桑田忠親も書いている。

山岡荘八著「新太平記・第5巻 義貞戦死の巻」 
山岡版「太平記」5巻
全五巻の中の第五巻だけ、なぜか義貞が大フューチャーされています。ただし、新田一族ファンは決して第四巻は読まないように……、理由は後述。


その他、戦前に書かれた新田義貞主役の小説本。
 1 三島霜川 金の星社 昭和16年  子供向け
 2 小林鴬里 文藝社  昭和2年
 3 池田宣政 偕成社  昭和18年
 4 石川淳  桜井書店 昭和19年  「義貞記」

2新田義貞及び新田一族関連本
奥富敬之著「上州 新田一族」 (人物往来社)
上州新田一族
とにかくこの本が好き。理由は過去に書きました。そのときの記事

峰岸純夫著「人物叢書 新田義貞」 (吉川弘文館)
峰崎「新田義貞」本
人物叢書シリーズなので固い内容かと思いきや、伝説・伝承をかなり扱っていて私好みです。勾当内侍についても一項目設けているほど。また「義貞は時代遅れの凡将・愚将か」という説に真っ向反論を試みていて、かなり「義貞寄り」だと思ったら、著者は群馬県東部の出身だった。

山本隆志著「新田義貞 関東を落とすことは子細なし」(ミネヴァ書房)
山本「新田義貞」
一方こちらは、かなり史料に則した内容。あとがきに「軍忠状などの一次史料をできるだけ優先し、太平記とは距離を取ろうとした」とあるように、人物「義貞」を客観的に捕らえた本格的・学術的内容となっている。よって、伝承・伝説についての記述はほとんどない。(児島高徳は全く書かれていない、勾当内侍は数行、といった感じ)

浅田晃彦 著「児島高徳と新田一族」 (群馬出版センター)
浅田晃彦
児島高徳と新田一族の関係が詳しく書かれた本。とにかく新田一族にまつわる伝承・伝説がかなり載っている。また浅田晃彦氏は『天下一の茶入「新田肩衝」の流転 』(新人物往来社)という本で、新田義貞が「新田肩衝」を所有していたという説を基にした小説も書いてました。地元在住の医師で、兼業として執筆活動をしていた。第60回の直木賞候補にもなっている。

久保田順一著「新田一族の盛衰」(あかぎ出版)
久保田順一 1
図版・画像が多く挿入されていて見やすい本です。特に新田荘にある関連寺社がかなり掲載されているので参考になるでしょう。「新田一族ファン」「郷土資料」としてはいい本です。ただ、あまり詳しい史料は載ってません。

久保田順一著「新田一族の戦国史」(あかぎ出版)
久保田順一 2
新田義貞死後以降の、新田荘の支配権について詳しい。岩松氏、由良氏、横瀬氏について書かれた本などほとんどないので、こちらの方がある意味「価値」があるかも。

細谷清吉著「篠塚伊賀守重広 新田義貞四天王」 (群馬出版センター)
篠塚伊賀守
義貞家臣の四天王の一人に数えられる篠塚伊賀守について書かれた貴重な本。著者は大泉町の方で、大泉町の郷土資料本の著作でよく見かける。

新田純弘著「埋み火はまた燃える。 新田一族銘々伝」 (さきたま出版)
新田一族銘々伝
新田一族・岩松氏の歴史を、その子孫が綴っている本。貴重なのは、その子孫が、昭和・平成の時代にどこで、何になったかということが記載されている点。
 
赤澤計眞著「越後新田氏の研究」 (高志書院)
越後新田氏の研究
越後・魚沼地方を本拠としていた新田一族・大井田氏、鳥山氏、里見氏、田中氏について詳しく書かれた学術書。上杉氏にも多く触れているので、大河ドラマ「天地人」を見ている人にも参考になる。

安部龍太郎著「バサラ大名」 (文春文庫)
バサラ将軍
南北朝時代の短編小説集。この中に新田義興の矢口の渡しを主題にした短編小説が載っています。「智謀の淵」。これは秀作です。また文庫にはあとがきで著者が新田神社の近くの図書館に勤めていた縁で、新田義興のことを書いたという興味深いことが書かれています。

松原武志著「武蔵新田縁起 新田義興をめぐる時代背景」 (今日の話題社)
武蔵新田縁起
東京都大田区、新田神社の近くに住む方が書いた本。義興について書かれた本で、義興を祀る新田神社の写真が豊富に掲載されている。

3その他「新田義貞」「新田一族」の記事が載っている本

歴史群像シリーズ10、「戦乱南北朝」
歴史群像シリーズ
とにかく便利。新田義貞については「後藤成」が書いている。

歴史と旅 平成3年3月号
歴史と旅 南北朝
義貞については「新宮正春」が書いている。

歴史読本1991年4月号
歴史読本 南北朝1
この本では、勾当内侍の冒頭カラーページでの特集が5ページにわたって載っている。また本文では、徳永真一郎が小説風に勾当内侍を描いている。こちらは10ページ。たぶんこれほど勾当内侍について書かれた本はないであろう。表紙の左側が勾当内侍を演じた宮崎萬純。右側が足利尊氏の妻・北条登子役の沢口靖子。

歴史読本1990年12月号
歴史読本 南北朝2
義貞については「土橋治重」が書いている。
この本では、北方謙三のロングインタビューが読み応えあり。

海音寺潮五郎ほか、「人物「太平記」の世界」(三笠書房)
人物太平記
義貞については「多岐川恭」が書いている。「乱世に翻弄された悲劇の武将」という題で、なかなかいい評が書いてある。(集英社「歴史の群像 叛旗」の記事を収録したもの)

山崎正和著「ビジュアル版日本の古典に親しむ6 太平記」(世界文化社)
山崎正和 太平記
ここにあげたのは、勾当内侍がオールカラーの6ページにわたって書かれていることと、義貞に関する写真映像が豊富に掲載されているから。九品寺、生品神社、分倍河原駅前の義貞像など。

「南北朝動乱と新田一族」(群馬県歴史博物館編)
南北朝と新田一族
平成3年に群馬県歴史博物館で開催された展示会のパンフレット。写真、画像が豊富。

「児島高徳公史跡保存会」
児島高徳保存会
これが例の高徳寺の再建時に行われた催事を記念して作られた本。ここに当時横綱だった北の湖の奉納土俵入りの写真が出ていました。児島高徳について詳しく載ってました。

神坂次郎著「猫男爵」 (小学館) 
猫男爵
徳川幕府末期から明治維新の新田・岩松家を主人公にした小説。

吉村昭著「彦九郎山河」 (文藝春秋)
彦九郎山河
江戸時代後期の尊王思想家・高山彦九郎を主人公にした小説。Wikipediaから「上野国新田郡細谷村(現群馬県太田市)の郷士高山良左衛門の二男として生まれ、諱を正之という。先祖は平姓秩父氏族である高山氏出身で、新田十六騎の一人である高山重栄とされている。13歳の時に「太平記」を読んだことをきっかけに勤皇の志を持ち、18歳の時に遺書を残して家を出て、各地を遊歴して勤皇論を説く。」とあるように、新田義貞に心酔し、完全な新田シンパ。足利尊氏の墓に鞭を打つなんてこともした。




歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」は新田一族の鎮魂劇である。

赤穂浪士の討ち入りの日、12月14日が近づいてきたので、一言。

歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」は新田一族の鎮魂劇である。

理由は……。

「新田義貞」がテレビ番組のクイズに出題されました! 回答したのは…

新田義貞の肖像画が全国放送されました。
放送されたのは、平成20年12月8日のPM8:00の番組、テレビ朝日「クイズプレゼンバラエティーQさま!!」だった。
クイズの問題として出されていた。 
「神がかった伝説を持つ偉人の名前を書きなさい」という問題で、10人の中に新田義貞が出題されていた。(他には、源義経、天草四郎、空海などが出題されていた。)
Qさま 義貞1 
「○○義貞」とある。「鎌倉攻め」剣投じると海の潮引いた伝説、とヒントがついている。(数字が上がるほど難しくなっているので9番目だからかなりの難問となっている。しかも答えが出たとき「ファインプレー」と字幕が出た。不人気の南北朝時代だから、世間では難しい問題に入るんですね。)

そして見事回答したのが、本村健太郎さん。
Qさま 義貞2
あ~あの山崎邦正に似ている弁護士だ。
だが今日からは違う。認識が変わりました。もうこれだけで私は本村弁護士のファンです。
何しろわざわざ「新田義貞」を選んで回答したのですから…。
これは快挙ですよ。民放のバラエティー番組で「新田義貞」の名が出るという世にも珍しい現象の当事者となったのですから。これはタモリさん以来でしょう。その時の記事。
そして、金田一秀穂さんが「天海」を回答。
Qさま 天海
このブログでは何かと出てくる「天海」。そして、過去に「金田一春彦さんとボン・ジョヴィ」というのも書いたとき秀穂さんのことも書いたけ。しかもこれ同じ日の記事だった。
いや~好きな人が増えて嬉しいです。(前回の宮藤官九郎のことを散々文句を書いたあとなので、余計そう感じます。)

さて、今日のテレビの情報は「藤島神社」のブログから得たものでした。
http://www.fujishima-jinja.jp/index.html
またここでは「新田義貞公の画像が全国TVで放映されます。」とある中で、「日本テレビ「カミングアウトバラエティ!秘密のケンミンSHOW」放送時間 H21.1.1(木)PM9:00~ ※2時間の特番」と書いてある。
ということは、来年の正月早々から、新田義貞がテレビに出るのか!
これは縁起がいいぞ!


宮藤官九郎って。「面白ければいいじゃん」という態度で書く時代劇は果たして面白いのか。

 宮藤官九郎
売れっ子の脚本家だということは知っている。書いたドラマが高視聴率の連発だ、なんていうのも聞いている。なんだか偉い賞もたくさん取ったということもさっき読んだ。彼のドラマが大好きなんていう人も近くにいる。
ただあまりにも「それはないだろう」といったひどい記事を書いていることので、少しケチをつけてみることにした。(ほとんど罵倒ですが)
記事は、週刊文春2008年12月11日号 宮藤官九郎の連載「いまなんっつた?」の中にある。以下転載。
「時代劇を書いてます。劇団☆新感線に書き下ろす新作「蜉蝣峠」です。 そう言えば監督デビュー作「真夜中の弥次さん喜多さん」も不条理ではありましたが時代劇でした。来年公開予定の「カムイ外伝」もそう。意外と多いんです。 にもかかわらず私、全くと言っていいほど日本史の知識がない。高校時代に世界史を専攻しており、それすらも大学受験の課目じゃなかったため全く勉強しなかった。つまり歴史全般が苦手。苦手なものには興味がない。というわけで小学校レベルだと思います。今日も「まんがで学ぶ日本史」みたいな本を買ってしまった。苦手なものはマンガで済ませるに限る。 大河ドラマが始まるとだいたい時代考証的な見地から「篤姫はあんなことしない」とか「竜馬はあんな男じゃない」とかいう人が出てきますね。小学生の僕からしたら完全にポカ~ンですよ。篤姫が実在の人物だという事すらドラマの始まるまで知らなかった。そもそも間違いを指摘する人だって資料や文献をもとにしているわけですよね。本人と対面したわけじゃないんだし面白ければいいじゃんと思っちゃうんですが……ダメ?  実在の人物と言えば、僕の作品には有名人が本人の役で多数出演しています。   <中略、自分のドラマに出た女優の話が出ているが、これが本題とどうつながっているのか、私にはよく分からない内容。楽屋落ちが面白いといったことしか書いてない。>     …だって篤姫と違って本人生きてるし、その本人が演じているわけですから。だからってわけじゃないけど、もし竜馬や篤姫が生きていたら案外楽しんでドラマを見ているんじゃない? と思っちゃうんだけど……ダメですか? やばい。話が横道にそれたまま戻れなくなった。時代劇。なんでみんな好きなんだろう。 フィクションとして入り込みやすいんでしょうか。どんな悲惨な物語でも200年前の話だという安心感、というか非現実感。だって刀ぶら下げて歩いているんですよ。今だったら職務質問じゃ済まない、拘束されちゃいます。  というわけで、この機会に日本史に興味を持ってみようと思います。」

と、以上が掲載されたもの。書き写していて何だかバカらしくなってきたが、まずはこれを読んでもらわないと話が進まないので載せておく。
っていうか、脚本家、兼俳優、兼作詞家、兼放送作家、兼映画監督、兼演出家という超人気でマルチな才能にあふれた方が書いたこの記事ですが、私には何が言いたいのかさっぱりわからない。特に最後の方が。(私の読解力不足なのか。分かった人がいたら、私に教えていただきたい。)だいたい、「週刊文春」を金を出して買い、こんな下手な(失礼)コラム記事を読まされて、果たして喜ぶ人や感心する人がいるのだろうか。
それに、こんなことを平然と、大手週刊誌に堂々と、馬鹿を晒すような記事を書いて恥ずかしくもないのか?
俺の「日本史の知識は小学生レベル」と言っちゃてる人が時代劇を書くって。まあそんな人が、ドラマ・劇・映画界の最先端にいるんだから、最近の日本のドラマが面白くないんでしょうね。(あくまでも私の意見。最近の日本のテレビドラマが面白いと思う人はある意味しあわせですね)

まず、「日本史に興味がない」、「歴史全般が苦手だ」といいつつ、俺のところには時代劇の仕事が来るといった自慢ぽい話から、そんな人に「ここは一つ、人気作家さんに時代劇でも書いてもらって、コガネでも稼ごう」とやっつけ仕事を回す人々が多くいるといったことは、この際どうでもいいことにしょう。
私が怒っているのは、この「歴史」に対する、このふてぶてしいまでの呆れた態度だ。
どうやら、時代劇・歴史ドラマを見て意見をいう人を、ただ「いちゃもん」を言っているうるさい人くらいにしか思ってないようだ。 自分が歴史を知らない(興味がない)からといってそれを棚に上げておいて、時代劇に「時代考証」を持ち込むのは無粋であるとするその姿勢。(文面にはどこか嘲るような感じがある) それを「面白ければいい」と歴史的事実さえも歪めても構わないという、その物言い。挙句は、そんな不備だらけのものを観客に見せて、俺の面白いと思ったものは「面白いだろう」「楽しめ」と強要するその増上慢な態度。それらを許すほどの寛大な精神を、観客に要求するのか?私は小説や映画やドラマに対してそんな寛容な心を持つことはできない。それは歴史を扱うものであれば、尚更だ。歴史や歴史上の人物を歪めてまで、ただ「面白おかしく」扱うことを、私は許すことはできない。それは今までこのブログで書いてきた通りだ。
別に「既婚女性にはお歯黒を塗れ」とか、「武士は女と並んで歩かないし、町中で口は利かない」とか「戦国時代の馬はポニーみたく小さい」とかそんな細かいことを求めているではない。私が彼に問いたいのは、時代劇や歴史ドラマを書いている人が、そんなゆるい姿勢でいいのか、ということ。まして彼は影響力のある超人気作家だから……。

しかしその一方で、このコラムは彼一流の悪い冗談なのかもしれないとも読める。「そんなわけないじゃん」と確信犯的に読者を煙に巻いているのかもしれない。かげでは私たち(歴史好きやマニア)を嘲笑しているのかもしれない。それを真に受けてしまう私がバカなのか。とすればもっとタチが悪い。それは宣戦布告と同じことになるからだ。
だから、ここでは敢えてこの記事の文面をそのまま受け取って、噛みついてみることにする。
以下は、超人気一流作家に対して、素人の私が、クドクド、ネチネチ、グダグダと書き連ねているだけなので、読みたい人だけ読んでください。


このコラム記事の内容を何かに例えてみよう。たとえば野球で。
「俺、野球のルールも知らね~し、興味もね~けど、仕事がきたから、ちょっとやってみるか。「何、イチローだ、知らないね。大リーグ、へ~どうでもいいよ。いいじゃん知らなくたって野球はできるよ。楽しけれりゃいいんだよ、別に。グローブとかバットとか道具があれば、それなりに野球ぽくなるじゃん。いいよ、モノが揃ってれば雰囲気でるからさ。あっ、俺って、面白くするの天才だから、打ったら3塁に走っていいよ。バッターが右と左で両方同時に立ってても意外性があっていいかも。アウト3つで交代なの?へえ~、ルールブックにそう書いてあるって、俺そんなの読んだことないし、知らね~、調べるとか興味ね~から、そういうのめんどくさいし。じゃ、今度マンガで読んでみるよ。(ここで、それは違うだろうと、観客の声が上がる) うるせ~、俺には俺のやり方があるんだから、黙ってろ。いちいち細かいこと言うんじゃね~ぞ、何たってオレ様は「売れ子」なんだから。面白けりゃいいんだよ。」
って、こんな感じ。まあ私はこう受け取ったわけです。
まさにこちらが「ポカ~ン」ですよ。

こんな人が「当代きっての脚本家」「ヒット連発の作家」だというのだから、聞いてあきれる。だから、いまの日本のドラマは一見すれば「表面上は面白い」かもしれないが、しばらくするとその内容さえ忘れる「底の浅い」「深みのない」ドラマばかりなのだろう。(まあ彼の作品ファンはそうじゃないというだろうけど)
それに、なぜこの人は、時代劇や歴史ドラマにだけは、なぜ細かいことを言うな、といったことを書くのだろうか。
どんな分野にも細かい指摘をする人はいて、そんなのドラマレビューのサイトで拾ってみればいくらでもある。「あの時代にはその型の車は走ってなかった。」とか「あの拳銃では弾が○発しか弾倉に入らないのに、それ以上撃った」とか「宇宙空間では爆発はない」とか……なのになぜ時代考証だけはダメなのか。
それに彼のドラマでは「落語」とか「池袋」とか「チンピラ」とかが非常に細かく書かれているが、これは資料や本を読んで下調べしたはずだ。ドラマにするにあたっては、「ウソ」がないように考証もしたはずだろう。そんな細部の積み重ねがあったからこそ視聴者が付いてきて「人気ドラマ」となったはずである。
だいたい「本人に対面したわけじゃないのに」「資料や文献をもとにした」などこんなことをいったら、ドラマ・映画・物語・小説をすべて否定することになるはずだ。実体験がなければ、当事者に会っていなければ(歴史モノを書くときはどうやって当事者に会うんだ)物語を作ることはできないといっているのようなものだ。それでは、宇宙に行ったことがない人はSFを書けないし、殺人を犯さなければミステリーを書けない、合戦に出なければ戦国武将の話は書けないことになる。もともと小説にしろ映画にしろドラマにしろ、話を作るに当たっては資料(史料)や文献・本をもとにするはずであり、感やひらめきや雰囲気で物語は書けないはずだ。これは、物を書くという作家の根幹にもかかわることであり、これをあまりにも簡単に否定して、それをお気軽なコラムにして書いてしまうことが問題なのだ。しかもそんなことに彼自身も気付いてもいないようだが。
たとえば彼の記事にもある「篤姫」だが、これだって書くにあったって、文献や資料を漁り、自分の中にそれを取り込んでこそ、初めて新しい「篤姫」や「竜馬」を生みだ出されていくわけではないのか。それは、資料や文献からえられた知識があってこそ、作家の中で新しい人物像が膨らんでいくことになる。そうして生まれた「人物」は奥深く、味のある人間となっていくはずである。これはその作家の作り出した「人物像」で、すべては基となる下地があるわけで、それは「歴史の知識」が必要となるわけだ。だがこの人は違うらしい。時代劇を書くにも何の資料をあたらずに「面白ければいい」「おれの日本史の知識は小学生レベルだ」などという軟弱な態度でいいのだろうか。そんなことを言い放ってしまう作家が物を書いて金をもらうとは最低だろう。それはあまりにも観客を馬鹿にしているということだ。「楽しければいい」という発想しかできない人に歴史モノ・時代劇は書けないと思う。たとえ書いたとしても底の浅い、糞がつくほどつまらないものしかできないと断言する。歴史やその時代に生きた人は奥深いはずだ。書いた脚本が当たってちやほやされているか知らないが、こういった調子付いた方がちょっと歴史モノでも書いてみるかぐらいの浮ついた軽薄さで、書かれた「時代劇」は本当に面白いのだろうか?
それに、このコラムの終盤の「フィクションだから安心感がある、非現実感があるから時代劇が好きなんだ」とかいう時代劇に対する認識もどこかズレていると思う。これはたぶん水戸黄門とか暴れん坊将軍とかのレベルでの時代劇を言っているようだ。あのくらいなら俺も書けると思ったのだろう。
結論としては、このコラム記事は、「時代劇はみんな好き」→「人気がある」→「そこに客が多くいる」→「金になる」→「よし俺も書いて儲ける」といった流れで、「篤姫」が当たったから俺も書いてみようくらいの軽い自己方針が、週刊文春に載っていたいうことだろう。

また、似たような作家に「三谷幸喜」がいるが、これは正反対に位置している。三谷氏の時代劇・歴史ドラマはかなり滅茶苦茶だが(竜馬にツイスターをやらせる。新撰組にVサインをさせる。竜馬と近藤勇が親友などなど)、才気走った人が才に溺れて、「歴史モノ」をやるとこうなることがある。規定概念を壊すことも「才能」だというが、度が過ぎると見ている方が付いていけなくなる。
ただ、彼は「歴史マニア」であり、かなりの研究熱心だと聞く。
この姿勢はいい。だから三谷幸喜はそのうち名作となるような「時代劇」「歴史ドラマ」を書くかもしれない。



文春2008年ミステリーベスト10&2008年ベストセラー

毎年恒例となっている「週刊文春 年間ミステリーベスト10」が発表されました。
2008年 国内部門
1位  告白   湊かなえ(双葉社)
2位  ゴールデン・スランバー   伊坂幸太郎(新潮社)
3位  ジョーカー・ゲーム    柳広司(角川書店)
4位  ラットマン   道尾秀介(光文社)
5位  聖女の救済  東野圭吾(文藝春秋)
6位  完全恋愛  牧薩次(マガジンハウス)
7位  山魔の如き嗤うもの  三津田信三(原書房)
8位  黒百合  多島斗志之(東京創元社)
9位  新世界より  貴志裕介(講談社)
10位  カラスの親指  道尾秀介(講談社)

2008年 海外部門
1位  フロスト気質  R・D・ウィングフィールド(創元推理文庫)
2位  チャイルド44  トム・ロブ・スミス(新潮文庫)
3位  スリーピング・ドール  ジェフリー・ディーヴァー(文藝春秋)
4位  20世紀の幽霊たち  ジョー・ヒル(小学館文庫)
5位  運命の日   デニス・ルイヘン(早川書房)
6位  冬そして夜  SJ・ローザン(創元推理文庫)
7位  ザ・ロード  コーマック・マッカーシー(早川書房)
8位  ウォリス家の殺人  D・M・ディバァイン(創元推理文庫)
9位  深海のYrr  フランク・シェッツィング(ハヤカワ文庫)
10位  狂犬は眠らない  ジェイムズ・グレイディ(ハヤカワ文庫)  

いつもベスト10とかが発表されてから、これを参考にして読んでます。しかがってまだほとんど読んでません。1位の湊かなえ氏は本作が作家デビュー作らしい。第一作で年間1位とはすごいですね。

ついでに2008年の年間ベストセラーも載せておきます。(トーハン調べ)
2008年 年間ベストセラー  単行本・文芸
1位  流星の絆   東野圭吾   講談社
2位  聖女の救済  東野圭吾  文藝春秋
3位 ガリレオの苦悩  東野圭吾  文藝春秋
4位  犬と私の10の約束 川口 晴  文藝春秋
5位  のぼうの城  和田 竜  小学館
6位  L change the WorLd  M  集英社
7位  食堂かたつむり  小川 糸  ポプラ社
8位  ゴールデンスランバー  伊坂幸太郎  新潮社
9位  私の男  桜庭一樹  文藝春秋
10位 おそろし 三島屋変調百物語事始 宮部みゆき  角川書店

2008年 年間ベストセラー  新書・ノベルス
1位 家庭教師ヒットマンREBORN! 隠し弾(2) X-炎  天野 明 子安秀明  ノベライズ 集英社
2位 銀魂 3年Z組銀八先生(3) 生徒相談室へ行こう!  空知英秋 大崎知仁 ノベライズ 集英社
3位 薬師寺涼子の怪奇事件簿 水妖日にご用心  田中芳樹  祥伝社
4位 蛇王再臨 アルスラーン戦記 (13)  田中芳樹  光文社
5位 劇場版BLEACHThe DiamondDust Rebellion もう一つの氷輪丸  久保帯人原作
6位 孤宿の人(上)(下)  宮部みゆき  新人物往来社
7位 家庭教師ヒットマンREBORN! 隠し弾(1) 骸・幻想  天野 明 子安秀明 ノベライズ 集英社
8位 零崎曲識の人間人間  西尾維新  講談社
9位 十津川警部 アキバ戦争  西村京太郎  徳間書店
10位 狼花 新宿鮫(9) 大沢在昌 光文社

2008年 年間ベストセラー  総合
1位  ハリー・ポッターと死の秘宝  J.K.ローリング 静山社
2位  夢をかなえるゾウ  水野敬也  飛鳥新社
3位  B型自分の説明書  Jamais Jamais  文芸社
4位  O型自分の説明書  Jamais Jamais 文芸社
5位  A型自分の説明書  Jamais Jamais 文芸社
6位  ホームレス中学生  田村 裕  ワニブックス
7位  女性の品格  坂東眞理子  PHP研究所
8位  親の品格  坂東眞理子  PHP研究所
9位  AB型自分の説明書  Jamais Jamais  文芸社
10位  脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」 茂木健一郎 PHP研究所
11位  新・人間革命(18)新・人間革命(19)  池田大作 聖教新聞社
12位 流星の絆  東野圭吾  講談社
13位  悩む力  姜尚中  集英社
14位  おつまみ横丁 すぐにおいしい酒の肴185 編集工房桃庵 編  池田書店
15位  おひとりさまの老後 上野千鶴子 法研
16位  余命1ケ月の花嫁  TBS「イブニング・ファイブ」 編  マガジンハウス
17位  徳間アニメ絵本 崖の上のポニョ  宮崎 駿 徳間書店
18位  1分骨盤ダイエット すぐに!確実に!キレイにやせる! 大庭史榔  三笠書房
19位  生命の法 真実の人生を生き切るには  大川隆法  幸福の科学出版
20位  上地雄輔物語 上地雄輔 ワニブックス

東野圭吾強いですね。
総合では、やはり2008年を象徴するものが売れてますね。 田村 裕 の「ホームレス中学生」とか、 坂東眞理子の「女性の品格」とか、上地雄輔とか、崖の上のポニョとか。
「余命1ケ月の花嫁」はネット上で大変な騒動となってますが大丈夫なんでしょうか。
でも一番アホなのは「血液型の本」でしょうね。今更血液型って…。 4冊合わせれば断然1位じゃないの、何しろコンビニでも売ってましたからね。まあそういう私の血液型はBですけど…。

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消えた二十二巻

Author:消えた二十二巻


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